小田急小田原線 本厚木駅から徒歩約3分というアクセスしやすい場所に位置していた「本厚木 肉寿司」。駅北口から続く一番街にあり、買い物帰りや仕事帰りにも立ち寄りやすい立地でした。
このお店は、その名の通り「肉寿司」を専門とするユニークなコンセプトを掲げていました。魚を使った一般的な寿司とは異なり、厳選された様々な種類の肉を寿司として提供することで、肉の新しい魅力や味わいを提案していました。シャリには、ただの水ではなく昆布出汁を使用して炊くというこだわりがあり、これにより米の一粒一粒にかすかな香りが含まれ、肉との一体感を高めていました。また、肉を握ることに特化した独自の寿司酢を使用していた点も特徴です。この寿司酢は、通常の寿司酢よりも酸味を抑えつつ、昆布などの旨みを加えることで、肉本来の旨みを引き立てるような味わいに調整されていました。
提供される肉は、栄養価の高さで知られる馬肉が中心でしたが、牛肉、鴨肉、豚肉なども取り扱われていました。馬肉は衛生管理や飼育環境に配慮した生産者から仕入れられ、安全で質の高いものが使用されていました。肉の調理においては低温調理が取り入れられており、これにより肉の旨みを閉じ込めつつ、安全性を確保し、かつ歯切れの良い絶妙な食感が実現されていました。
メニューには多彩な肉寿司が並び、様々な部位や調理法の肉を楽しむことができました。中でもお店の看板メニューとして多くの人に知られていたのが「名物!さしとろ」です(979円)。提供時に目の前で大きな肉の塊を豪快に炙るパフォーマンスは、視覚的にも楽しませてくれるだけでなく、SNS映えすることでも人気でした。炙ることで脂がとろりと溶け出し、口の中でとろけるような食感と濃厚な旨みが広がったとされています。「べっこう玉」(352円)はモチモチとした食感の卵黄の醤油漬けで、お酒のおつまみとしても人気でした。「肉穴子」(539円)は、まるで穴子のような見た目に仕上げた豚の角煮の握りで、見た目の面白さも兼ね備えていました。どの肉寿司を選べばいいか迷う方のために、「馬三種盛り」(赤身・えんがわ・ロース 550円)や「牛三種盛り」(ローストビーフ・塩熟成牛もも・ネギ塩牛タン 649円)といった、複数種類の肉寿司を一度に味わえるお得な盛り合わせも用意されていました。かつてはランチタイムにお昼限定の肉寿司盛り合わせ(寿司8カン、味噌汁、小鉢付き 900円)を提供していた時期もあり、昼間から気軽に肉寿司を堪能することが可能でした。
座席は、一人での利用しやすいカウンター席と、グループでの食事に適した4人用の個室が完備されていました。個室があることで、周囲を気にすることなくプライベートな空間でゆっくりと会話や食事を楽しみたい場合に便利でした。店内は全面禁煙となっていたため、たばこの煙が苦手な方も安心して食事できる環境でした。
特別なサービスとしては、「名物!さしとろ」の目の前で行われる炙りパフォーマンスが挙げられます。これは単なる調理工程ではなく、ライブ感のある演出として食事を一層楽しいものにしていました。また、一般的な寿司店で提供されるガリが生姜ではなく、セロリか何かのピクルスが添えられていたという情報もあり、細部にまでこだわりが見られるユニークな点でした。これらの要素が組み合わさることで、来店者に特別な食体験を提供していました。