函館市千代台町に位置していた「函館ラーメンえん楽」は、惜しまれつつも2024年2月28日をもって閉店しました。かつては函館朝市近くや金森赤レンガ倉庫向かいの函館西波止場でも営業しており、観光客からも親しまれていましたが、2021年6月22日に千代台町へ移転オープンし、地元に根ざしたラーメン店として営業していました。
千代台町への移転にあたり、地元客の好みに合わせて麺を以前より太く、量も増やしていました。ラーメンの味は、昔ながらの函館ラーメンのイメージを踏襲しつつ、店主が独自の視点で追求した飽きの来ないスタンダードな味わいが特徴でした。豚骨や鶏がら、昆布などを使用した透明で雑味のないスープに、香りの良い岩のりや細切りのメンマ、そして豚ロースのチャーシューがトッピングされていました。塩ラーメンの味の決め手となる塩だれは、数種類の塩をブレンドし、ホタテなどのだしを加えて煮詰めたものが使われており、シンプルながらも深みのある一杯が提供されていました。
千代台町の店舗では、塩ラーメン、正油ラーメン、味噌ラーメンが主なメニューとして提供されていました。移転当初の価格では、塩ラーメンと正油ラーメンが750円、味噌ラーメンが850円でした。正油ラーメンには八雲町の服部醸造の醤油が使われており、澄んだ味わいと華やかな香りが特徴でした。味噌ラーメンは数種類の味噌をブレンドし、飽きのこない味わいに仕上げられていました。また、厨房のスペースの関係から、味噌ラーメンは昼の営業時間のみ、正油ラーメンは夜の営業時間のみの提供となっており、塩ラーメンは昼夜どちらでも注文可能でした。ラーメンにプラス250円で、ライスと唐揚げ2個が付く唐揚げセットも提供されており、お腹いっぱい食べたい人に人気でした。夏期には冷たいスープの函館塩ソーメンもメニューに加わっていたことがあります。
店内の座席はカウンター席が中心でしたが、お店の奥には個室も備えられており、会食プランや会合プランでの利用も可能でした。会食プランは一人2000円から利用できたようです。
所在地は函館市千代台町31-18で、中央病院からスーパーアークス千代台へ向かう道路沿いにありました。近隣には茶蔵がありました。駐車場も用意されており、店舗の並びにある美容室の隣に2台分(3番と6番)が確保されていました。移転オープン当初は、近くのコインパーキングを利用した場合に、900円以上の会計で100円のキャッシュバックサービスがあったようです。
「ラーメンと唐揚げ、そしてレモンサワーの美味い店」というキャッチフレーズも掲げており、ラーメンだけでなく唐揚げにも力を入れていたことがうかがえます。唐揚げは持ち帰りも可能でした。また、卓上には特製魚粉などが置かれており、味の変化を楽しむこともできました。