大阪市北区曽根崎新地に位置する「餃子の天平 北新地本店」は、JR北新地駅から徒歩約3分、大阪メトロ東梅田駅からも徒歩5~6分圏内という、アクセス至便な場所にあります。昭和30年(1955年)創業とされるこのお店は、大阪における一口餃子の発祥店の一つとして知られており、長年にわたり地元はもとより多くの人々に愛され続けている老舗です。その味は国内外で高く評価されており、ミシュランガイドのビブグルマンに複数年掲載され、食べログの餃子百名店にも選出されるなど、確固たる地位を築いています。
天平の最大の魅力は、何と言っても独自のひとくち餃子です。小ぶりで可愛らしいサイズ感でありながら、その皮は薄く、油を使わずに焼き上げられることで両面、あるいは片面がパリッと香ばしく仕上がっているのが特徴です。餡は、白菜、豚ミンチ、ニラ、唐辛子などが使用されていますが、ニンニクは不使用。そのため、食後の臭いを気にすることなく気軽に楽しめることから、特に北新地という土地柄、女性客にも支持されています。餡自体にほのかなピリ辛さがあり、ジューシーで奥深い旨味が口の中に広がります。一般的な餃子とは異なり、包むというよりは折りたたんだような独特の形状も印象的です。
提供されるメニューは非常にシンプルで、焼き餃子と漬物が中心。多くの利用客はまずビールと共に、お店の推奨である一人前20個(場合によっては15個からの注文も可能)の餃子を注文します。かつては店内に明確な価格表示がないこともあったようですが、現在は焼き餃子20個で1100円、漬物が300円から提供されているといった情報が見られます。これらにドリンクを加えると、一人当たりの予算はおおよそ2000円から3000円程度となることが多いようです。ドリンクメニューには、定番のビール(スーパードライやマルエフ)、焼酎、梅酒、日本酒に加え、焼酎をトニックで割ったレモンの風味が爽やかながらもアルコール度数は高めとされる特製ハイボールなどがあります。
餃子と共に欠かせないのが、箸休めとして提供される自家製のお漬物です。キュウリの浅漬けや紀ノ川漬け、梅干しなど数種類があり、餃子の合間に食べると口の中がさっぱりとして、いくらでも餃子が進むと評判です。この漬物を餃子と一緒に出し始めたのも、天平が最初だと言われています。
店内は、カウンター席とテーブル席を合わせて全19席のこぢんまりとした空間です。昭和の雰囲気を残すノスタルジックな内装で、どこか懐かしさを感じさせます。席の間隔はやや狭めであるという声もあり、また全席喫煙可能のため、タバコを吸わない方にとっては気になる点かもしれません。店内での長時間の滞在や大声での会話、スマートフォンの使用を控えめにするよう促す貼り紙が見られるなど、独特のルールが存在し、静かに餃子と向き合う雰囲気を感じさせるという口コミもあります。
店内での飲食だけでなく、天平のひとくち餃子はテイクアウトも可能です。焼きたてはもちろん、自宅で楽しめる冷凍餃子の販売も行っています。遠方の方やお店に足を運べない方のために、公式オンラインショップも開設されており、全国どこからでも天平自慢の味を取り寄せることができます。
一口餃子の発祥店として、こだわりの製法と変わらぬ味を守り続ける天平 北新地本店。そのシンプルながらも奥深い味わいの餃子と、独特の雰囲気を持つ店内で、多くの食通たちを魅了し続けています。