大阪府四條畷市楠公に位置する「まほうのだがしやチロル堂 四條畷店」は、JR学研都市線(片町線)四条畷駅から徒歩約5分ほどの栄通り商店街の中にあります。商店街の奥まった場所にあり、隠れ家のような雰囲気も持ち合わせています。このお店は、単なる駄菓子屋という枠を超え、「まほうのだがしや」というコンセプトのもと、地域の子どもたちが安心して過ごせる居場所となることを目指しています。空き民家を活用したコミュニティスペース「あじーる」の敷地内にあり、地域住民が繋がり、交流する拠点としての役割も担っています。
「まほうのだがしや」たる所以は、そのユニークな仕組みにあります。ここでは、大人がお店を利用する際に、駄菓子や食事の代金の一部を「チロる」と称して寄付することができます。この大人の温かい支援が、「まほう」となって子どもたちへと還元されるのです。具体的には、18歳以下の子どもたちは100円で店内のカプセルトイを回すことができ、中にはお店独自の通貨である「チロル札」が入っています。このチロル札1枚で、通常100円以上の価値がある駄菓子を選んだり、かつては食事メニューを非常に安価に利用したりすることができました。これにより、子どもたちは経済的な負担を感じることなく、お店でのひとときを楽しむことができるのです。「地域みんなで子育てできるような文化をつくる」というお店のモットーは、この「チロる」仕組みに象徴されています。
かつて食堂としても営業していた時期には、手作りにこだわった無添加の定食やカレー、カフェメニューなどが提供されていました。定番のアジフライ定食や日替わり定食は特に人気を集め、栄養バランスの取れた家庭的な味わいが魅力でした。その他にも、カレーや茶そばぶっかけ、夏季にはかき氷、カフェタイムにはコーヒーやバスク風チーズケーキなども楽しむことができ、子どもから大人まで幅広い世代が食事やお茶を楽しむことができる場でした。テイクアウトや近隣への宅配サービスも提供されており、家庭でもお店の味を気軽に味わうことが可能でした。また、環境に配慮した取り組みとして、マイ容器やマイ箸などを持参することで割引を受けられるエコシステムも導入されていました。店内は木の温もりを感じさせるナチュラルな空間で、高い天井が開放感を演出し、カウンター席やテーブル席が設けられていました。総席数は16席との情報もあり、アットホームな雰囲気の中でゆったりと過ごせる空間でした。
しかし、最新の情報によると、2024年4月12日をもって食堂としての営業は終了しており、現在は営業時間が変更されています。当面の間は、平日のみの14時30分から17時30分という放課後の時間帯を中心に営業を行っているとのことです。現在の営業体制における具体的なメニューや提供サービスについては、情報が限られているため詳細は不明ですが、「まほうのだがしや」として子どもたちの居場所となるコンセプトは継続していると考えられます。定休日にはレンタルスペースとして店舗を貸し出すサービスも行われており、地域のイベントや活動の場としても利用されています。
このお店は、駄菓子販売とユニークな「チロる」仕組みを通じて、子どもたちの成長を地域全体で見守り、支え合う温かいコミュニティの実現を目指しています。かつての食堂営業も含め、地域住民にとって様々な形で関わることのできる、四條畷に根差した特徴的な場所と言えるでしょう。