大阪府河内長野市高向に位置する「むささびパン工房」は、豊かな自然に囲まれた道の駅「奥河内くろまろの郷」内、ビジターセンターに店舗を構えるベーカリーカフェです。奥河内くろまろの郷は、「食べて・遊んで・体験できる」をコンセプトにした人気の道の駅であり、その中心施設であるビジターセンターに併設されたむささびパン工房は、訪れる多くの人々にとって立ち寄りのスポットとなっています。
この工房の大きな特徴は、使用する素材へのこだわりです。パン生地には、河内長野市で古くから栽培されてきた地場産の小麦や、北海道産の高級小麦、さらに河内長野産の小麦全粒粉が用いられています。澄んだ水と温暖な気候に恵まれた河内長野で育まれた上質な小麦を活かすことで、地域の食文化を受け継ぐパンづくりが行われています。また、生地の発酵には天然酵母を使用し、添加物を極力使わずに長時間かけてじっくりと発酵させています。これにより、小麦本来の繊細な風味と、噛むほどに感じられる深い旨みが引き出された、こだわりのパンが毎日焼き上げられています。スクラッチ製法で作られるパンは常時50種類近く並び、訪れるたびに新しい発見があるかもしれません。
提供されるメニューは多岐にわたります。定番の天然酵母食パン(プレーン、くるみ、ぶどうなど)や河内長野産全粒粉を使用したカンパーニュなど、シンプルなパンから、具材がたっぷりの惣菜パン、甘い菓子パンまで豊富に揃います。中でも、「くろまろカレーパン」はカレーパングランプリで金賞を受賞した実績があり、多くのお客さんに支持される人気商品の一つです。その他にも、チキン南蛮バーガーやたまごサンドといった軽食にぴったりのサンドイッチ類も用意されています。
むささびパン工房の魅力はパンだけにとどまりません。パティシエが手がけるスイーツも充実しており、アップルパイやロールケーキ(くろまろーる)、地産玉子ぷりんなどがショーケースを彩ります。地元農家から仕入れた旬の果物を使った特製デザート開発にも力を入れており、過去には桃やトマト、梅の実、ぶどうなどを使用したジュースやソフトクリーム、かき氷、プリン、タルトなどが提供されてきました。特に、地元産の桃を贅沢に使った可愛らしいビジュアルのソフトクリームは人気を集めています。これらのパンやスイーツは、併設されたカフェスペースで味わうことが可能です。店内にはイートインスペースがあり、購入したパンやスイーツを自家焙煎のコーヒーやルピシア紅茶などのドリンクと共にゆっくりと楽しむことができます。山里のゆったりとした時間を感じながら、焼きたてのパンやこだわりのスイーツを味わうのは格別です。カフェスペースは常に多くのお客さんで賑わっており、その場で飲食すると一部のパンが少し割安になるサービスも利用されています。また、外部にはテラス席も用意されており、天気の良い日には外の空気を感じながら食事を楽しむこともできます。ドッグランも併設されている奥河内くろまろの郷の施設のため、愛犬と一緒に外の席でパンを味わう利用者の姿も見られます。
アクセスについては、公共交通機関を利用する場合、南海高野線または近鉄長野線の河内長野駅からバスに乗車し、「奥河内くろまろの郷行き」で約15分となります。駅から直接歩くことも可能ですが、最寄りの三日市町駅からも約2.3km、河内長野駅からは約3.0kmと距離があるため、バスまたは車でのアクセスが便利です。奥河内くろまろの郷には広い駐車場が完備されており、週末には多くの車で賑わいます。
むささびパン工房は、焼きたての手作りパンや地元の恵みを活かしたスイーツ、そしてこだわりのドリンクを提供するだけでなく、道の駅という立地を活かし、地域の魅力を発信する役割も担っています。奥河内くろまろの郷を訪れた際には、立ち寄ってこだわりの品々を味わってみる価値は十分にあるでしょう。