大阪府貝塚市地蔵堂、イオン貝塚店の1階に位置していた「生鮮市場richばんばん 貝塚店」。阪和線の和泉橋本駅からも比較的近い場所にあり、イオンの施設として駐車場も利用可能でした。この店舗は、鹿児島のカミチクグループの一員である株式会社ケイファーマーズが運営する生鮮市場として、地域に根ざした営業を行っていました。
生鮮市場richばんばん 貝塚店の大きな特徴は、その名の通り新鮮な生鮮食品にこだわりを持っていた点にあります。特に精肉部門は、カミチクグループの直営という強みを活かし、安全で安心できる高品質な牛肉を提供することに注力していました。薩摩牛をはじめとするグループオリジナルのブランド和牛も取り扱っており、直営ならではの価格で提供される精肉は多くの買い物客から支持を得ていました。畜産品や農産品が店舗のメインとなっており、農産品に関しても朝市で仕入れるなど、鮮度を重視した品揃えが特徴でした。
単に商品を陳列して販売するだけでなく、昔ながらの市場のような対面販売を大切にしていたことも、この生鮮市場の特筆すべき点です。各担当者が売り場に立ち、商品の詳しい説明や美味しい食べ方、調理方法などを顧客と直接対話しながら提供するスタイルは、一般的なスーパーマーケットとは一線を画していました。これにより、顧客は単なる買い物だけでなく、食材に関する知識を得たり、会話を楽しんだりすることができました。
品揃えにおいても独自性があり、九州各地から厳選された珍しい食品や調味料、お菓子なども取り扱っていました。地元九州でも珍しい品が並ぶこともあり、大阪にいながら九州の「美味いもの」に出会える情報発信基地のような役割も担っていました。また、従業員が商品開発に加わったプライベートブランド商品も展開するなど、品質へのこだわりとユニークな商品展開が見られました。店舗はチラシを打たず、その分のコストを商品価格に還元し、毎日お買い得な価格での提供を目指していました。
かつて、生鮮市場richばんばん 貝塚店には「伊佐牧場 直売所 貝塚店」というセルフ焼肉を楽しめるコーナーが併設されていました。ここでは、店舗で購入した新鮮な精肉をその場で焼いて食べることができ、非常にリーズナブルな価格で本格的な焼肉を楽しめるとして人気を集めていました。このセルフ焼肉コーナーには席も用意されており、気軽に立ち寄って食事を楽しむことが可能でしたが、このサービスは2023年12月末をもって終了しました。
生鮮市場richばんばん 貝塚店自体も、残念ながら2023年12月31日をもって閉店したことが報じられています。短い期間ではありましたが、イオン貝塚店内で新鮮で品質の良い生鮮食品を提供し、地域住民の食卓を支える存在として親しまれていました。