大阪府豊中市服部南町に位置していた「CRAFT BEER SPOT tane(タネ クラフトビールスポット)」は、阪急服部天神駅から徒歩数分の場所にありました。この店舗はクラフトビールを専門に扱うビアバーとして、地元豊中では珍しい、複数のタップから直接注がれる樽生のクラフトビールを楽しめるお店でした。単にビールを提供するだけでなく、クラフトビールを通してゆったりと落ち着いた時間を過ごせる、カフェのような空間を目指していたのが特徴です。
店内はコンクリート打ち放しの壁にオレンジ色の間接照明が灯る、シックで洗練されたお洒落な雰囲気でした。席は2人掛けと4人掛けのテーブル席に加え、背の高いカウンター席が設けられており、一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気がありつつも、友人や大切な人との時間にも利用できるようなレイアウトでした。
CRAFT BEER SPOT taneの最大の魅力は、常時5種類が繋がれているクラフトビールのタップリストでした。これらのビールは定期的にラインナップが変更されており、訪れるたびに新しい味やスタイルのクラフトビールに出会える楽しみがありました。中には、豊中の地元で生まれたクラフトビール「神社ビール」が提供されることもあり、地域の味も楽しむことができました。ビールの鮮度と品質にこだわり、温度管理を徹底するために特注した冷蔵庫を使用するなど、美味しいクラフトビールを提供するための工夫が凝らされていました。
ドリンクメニューはクラフトビールが中心でしたが、ビールが苦手な方や他の飲み物を希望する方のために、ビール以外のドリンクも用意されていました。フードメニューは、クラフトビールとのペアリングを意識した「アテ」が豊富に揃っていました。アランチーニ(ライスコロッケ)、魚のコンフィ、牛ホルモンのトリッパといった、ビールが進むオリジナリティのある料理が提供されており、これらの料理のソースやだしは手作りであることからも、料理へのこだわりが感じられました。また、パスタもメニューにラインナップされており、食事をしっかり楽しみたいというニーズにも応えていました。お店の方に相談すれば、それぞれのビールに合う料理のペアリングのおすすめを聞くこともできました。
お店は、結婚を機に夫婦で始められたという背景があり、温かいおもてなしが期待できる雰囲気でした。オープン当初は海外製品のカプラーの扱いに苦労するなど、様々な困難もあったようですが、周囲の協力も得ながら乗り越え、地域に根差したお店を目指していました。将来的には、さらに店舗を増やし、最終的には自身でビール醸造を手がけたいという熱い想いを持っていたようです。
夜の予算帯は3,000円から4,000円程度、昼の予算帯は2,000円から3,000円程度が目安となっていました。
多くのクラフトビールファンや地元の人々に愛されていたCRAFT BEER SPOT taneでしたが、残念ながら2024年6月30日をもって閉店しました。