大阪市中央区西心斎橋1丁目9番31号に位置していた「ヴァンサンク ブランシュ」。大阪メトロ御堂筋線および長堀鶴見緑地線の心斎橋駅から徒歩約2分から3分という、アクセスしやすい立地が特徴でした。日航ホテルとOPAの間を西へ進んだ先にあり、心斎橋の賑わいを感じさせつつも、一歩店内に入ると落ち着いた空間が広がっていたようです。電話番号は06-6245-6223として案内されていました。
この店舗は、1975年のオープン以来、40年以上にわたり心斎橋で親しまれてきた歴史を持ちます。ビストロ・ヴァンサンク、ル・ヴァンサンクといった変遷を経て、2014年に「ヴァンサンク ブランシュ」としてリニューアルオープンしました。「ブランシュ(Blanche)」はフランス語で「白」を意味し、リニューアルにあたっては「白」をテーマにした空間づくりが行われたようです。店内は洗練されたデザイナーズ空間で、ヨーロッパの避暑地の別荘を思わせるような、くつろぎに満ちたインテリアが配されていました。あえて梁を見せた天井やウォールナットの床、テラコッタタイルなどが使用され、温かみのある静謐な雰囲気を醸し出していました。照明にもこだわりが見られ、空間的な特性を高める演出がされていたと考えられます。白い壁や扉は清潔感と明るさを演出し、広く感じさせる効果もあったようです。エントランスにはロートアイアンが採用され、アールヌーヴォー調の風格あるデザインが訪れる人々を迎えていました。
提供されていた料理はフレンチをベースとした欧風料理で、厳選された国内外の旬の野菜、肉、魚介などの食材を使用し、素材の味を引き立てるスパイスやハーブを巧みに使ったエレガントな料理が特徴でした。コース料理が中心で、時期によっては月替わりのコースが提供され、クラシカルな一皿から遊び心のあるモダンな一皿まで、シェフの感性が光る料理の数々を堪能できたようです。ディナーコースは10,000円や13,000円といった価格帯のコースが設定されており、オードブル、魚料理、選べる肉料理、デザートなどで構成されていました。ランチタイムにもコースが提供されており、様々なシーンで利用することが可能でした。ワインリストも充実しており、ソムリエが厳選したワインを料理に合わせて楽しむことができました。
座席は総席数40席で、全席がほぼ半個室のような造りになっていたという情報があります。特に1室のテーブル個室(10名から16名用)があり、パーティションで仕切ることでプライベート感を確保していました。これらの半個室や個室は、接待や会食、女子会など、落ち着いた空間で会話を楽しみたい場合に適していました。席間隔もゆったりと取られており、周囲を気にすることなくリラックスして食事の時間を過ごせたようです。貸切も可能で、着席で最大40名までの利用に対応しており、結婚式の二次会や歓送迎会、同窓会といった大人数でのパーティー会場としても利用されていました。パーティーを盛り上げるための設備やプランも用意されていた可能性があります。
特別なサービスとしては、記念日や誕生日の利用に対応しており、無料のメッセージプレートのサービスも提供されていたようです。大切な人との特別な日を祝う場所としても選ばれていました。また、アレルギー対応も可能で、予約時に相談することができました。ドレスコードはスマートカジュアルが推奨されており、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しむための配慮がなされていました。6歳以上であれば子供の同伴も可能でしたが、貸し切りの場合を除き、コース料理を食べられることが条件でした。各種クレジットカードでの支払いが可能でした。サービス料として10%が別途かかっていました。
心斎橋の地で長年愛され、洗練された空間とこだわりのフレンチ、そしてきめ細やかなサービスで、訪れる人々に特別な時間を提供していた「ヴァンサンク ブランシュ」。その歴史と魅力は、多くの人々の記憶に刻まれていることでしょう。