大阪市中央区谷町に位置する「冨紗家 本店」は、地下鉄谷町線谷町六丁目駅の4番出口、または地下鉄長堀鶴見緑地線松屋町駅の3番出口からいずれも徒歩約5分ほどの、空堀商店街の中に店を構えるお好み焼き店です。創業は昭和53年(1978年)で、長年にわたり地元の人々や多くの著名人に愛されてきました。店内には、これまでに訪れた俳優や歌手、タレントなど数多くの有名人のサイン色紙や写真が飾られており、その歴史と人気の高さを物語っています。まるで昭和の芸能史を辿るかのような雰囲気も、この店の魅力の一つと言えるでしょう。
冨紗家 本店は、単なるお好み焼き店という枠を超え、和洋中の垣根を越えた創作的な粉もの料理を提供することをコンセプトとしています。「○△□焼(まんだらやき)」という名前には、「曼荼羅が仏の悟りの境地や世界観を表すように、あらゆる食材を駆使して無限の美味しさを追求する」という意味が込められています。伝統的なお好み焼きの枠にとらわれない、ユニークでこだわりの詰まったメニューが豊富に揃っています。
特に人気を集める名物メニューとして挙げられるのが「とんとん焼」です。このお好み焼きは生地に小麦粉を一切使わず、粘り気の強い「つくねいも」などをブレンドした山芋ペーストのみを使用しているのが最大の特徴です。鉄板の上に直接広げた山芋生地に、たっぷりのキャベツと豚肉を乗せ、さらに山芋ペーストを重ねて焼き上げ、最後に卵で包んで仕上げます。山芋100%ならではのふわふわトロトロとした食感は、一度味わうと忘れられないと評判です。キャベツの甘み、豚肉の旨み、そしてソースとマヨネーズの風味が一体となった、食べ応えのある逸品です。
とんとん焼と並んで人気なのが「キムチ焼そば」です。シャキシャキとした食感の浅漬けキムチと、創業者が代々受け継ぐ秘伝の醤油ベースのタレで炒められた焼きそばは、あっさりとしていながらも奥深い味わいです。他にも、イカスミを使用した「イカスミモダン」や、山芋と明太子を絡めた「明太トロロ焼そば」、磯辺焼きを模した一口サイズの「イソベ風洋食焼」など、他ではなかなか味わえないオリジナリティー溢れるメニューが多数あります。様々な創作鉄板料理や一品料理、デザートの「いもっこアイス」なども提供されています。
料金帯は、ランチがお得な場合もあるようですが、口コミなどによると夜の予算は一人あたり2,000円から3,000円程度で十分にお腹いっぱい楽しめるという声が多く見られます。名物セットメニューも用意されており、ペアセット(2名分)が4,780円(税込)、3~4人セットが9,560円(税込)、5~6人セットが15,120円(税込)など、人数に合わせて選べるお得なセットがあります。これらのセットには人気メニューがバランス良く含まれていることが多いようです。
店内の座席は全部で84席あります。テーブル席が24席、座敷席が14席、そしてVIPルームが8席用意されています。個室も完備されており、周りを気にせずゆっくり食事を楽しみたい場合に利用可能です。最大14名まで利用できる個室の座敷席は、家族での食事やちょっとした宴会にも適しています。また、1階ホールは最大40名まで貸切が可能で、大人数でのパーティーや宴会、打ち上げなどにも対応できます。2階席もあり、こちらも予約可能で、一階とは異なる落ち着いた雰囲気で食事ができます。
特別なサービスとして広く知られているのは、その「有名人御用達」という側面です。多くの著名人が訪れることは、店の味や雰囲気、居心地の良さを裏付けるものであり、来店客にとっても特別な体験となるでしょう。テイクアウトも可能なので、自宅で店の味を楽しむこともできます。貸切や大人数での利用にも対応しており、様々なシーンで利用できる汎用性の高さも持ち合わせています。お好み焼きや鉄板焼きといった大阪のソウルフードを、独創的なアレンジと温かい雰囲気の中で堪能できる冨紗家 本店は、大阪の食文化を楽しむ上で外せない一軒と言えるでしょう。