宮崎県宮崎市新別府町前浜1401-186に位置していた喫茶flatは、かつて多くの人々に親しまれたカフェでした。JR宮崎駅からは約2.9kmの距離にあり、宮崎交通のバス停「一ツ葉神社前」からは徒歩約0分、またはバス停「前浜」から徒歩約2分というアクセスしやすい場所に立地しており、イオンモール宮崎や一ツ葉稲荷神社の近くという分かりやすい目印もありました。
その外観はクリーム色の可愛らしい色調で、南仏を思わせるようなふんわりとした雰囲気を醸し出しており、訪れる人々を温かく迎え入れていました。店名である「flat」は、音楽の♭記号(フラット)に由来し、「音楽を楽しめる」「気軽に“フラッと”立ち寄れる」「ここに来たらみんなが“flat”(気取らない)でいられる」というコンセプトが込められていました。店内はベージュを基調とした内装にウッディな家具が配され、落ち着いた空間が広がっており、緑豊かな席も設けられていました。また、おしゃれで「映える」と評される内装には、ジブリキャラクターの飾り付けが見られることもあり、訪れる人の心を和ませていました。
喫茶flatの大きな特徴の一つとして、店内にウサギがいたことが挙げられます。一番奥の部屋にいるウサギは、多くの来店客に愛され、見るだけで癒やされる存在でした。また、オーナーがボーカリストであったことから、店内では不定期にライブイベントが開催されることもあり、音楽とこだわりの空間、そして懐かしいメニューが融合した独自の体験を提供していました。
メニューはモーニングからランチ、ティータイムまで幅広く提供されていました。モーニングは、卵、パン、サラダ、フルーツ、ドリンクがセットになった「サービスモーニング」(400円)や、これに肉も加わり週替わりで内容が変わる「フラットモーニング」(500円)があり、目玉焼き、ウィンナー、ベーコン、スクランブルエッグ、フルーツヨーグルトなどが組み合わされる多様なパターンが用意されていました。ランチタイムには、サラダ、スープ、ライスまたはバゲット、デザート、ドリンクが付くセットが中心で、特に人気だったのは昔ながらの「焼きナポリタン」でした。鉄板で提供されるナポリタンには生卵とチーズが添えられ、熱いうちに混ぜて半熟に仕上げるのがおすすめの食べ方でした。その他、「フラットランチ」として提供される週替わりの限定50食ランチ(980円)は、ビーフシチューやトースト、温野菜サラダ、プチデザートなど豪華な内容で、毎週通っても飽きない工夫が凝らされていました。カレーランチ、オムハヤシランチ、ハンバーグランチ(1,080円)なども提供されていました。ティータイムには、厚焼きホットケーキ(700円)や、7種類の虹色フロート、チョコのデコレーションが施された可愛らしいケーキなど、見た目にも楽しいデザートが充実していました。ネルドリップで丁寧に抽出されたこだわりのコーヒーも、お店の自慢の一杯でした。
座席は、ゆったりと過ごせるソファ席が用意されており、小さなお子様連れでも安心して利用できる半個室の座敷席が2席設けられていました。また、10名まで利用可能な個室もあり、ママ友会やランチ会など、様々な用途での貸し切りにも対応していました。総席数は50席で、カウンター席は常連客で賑わい、気さくな従業員との会話も弾むアットホームな雰囲気でした。
しかしながら、喫茶flatは2023年5月21日をもって閉店いたしました。長年にわたり多くの人々に愛され、音楽やウサギ、そして心温まるメニューで癒しを提供してきた喫茶flatは、その歴史に幕を閉じました。