熊本県上益城郡山都町浜町に位置する「本さつまや」は、創業明治五年という百五十余年の伝統を誇る老舗割烹料理店です。通潤橋からもほど近い町の中心部にあり、古くからこの地で愛されてきた歴史と趣を感じさせます。この店が掲げるのは、山都町で育まれた豊かな自然の恵みを最大限に活かした「山里料理」。地元産の旬の食材、特に山菜やジビエ、清流で育つ天然の鮎やヤマメなどにこだわり、その時々で最も美味しい旬の味覚を厳選して提供しています。素材への深いこだわりから、お客様一人ひとりに最高の状態で料理を提供するため、完全予約制を採用しています。
アクセスについては、車での来店が便利です。九州中央自動車道の山都中島西インターチェンジからは約15分、福岡方面からは御船インターチェンジから約40分、鹿児島方面からは松橋インターチェンジから約50分と、主要な高速道路のインターチェンジからアクセスしやすい立地です。また、九州中央自動車道の無料区間である山都通潤橋インターチェンジからは約5分と、より便利になっています。公共交通機関を利用する場合、熊本交通センターから熊本バスの矢部方面行きに乗車し、浜町中央バス停で下車すると、そこから徒歩約3分という近さです。博多駅からは高速バスごかせ号で約2時間半、山都町バス停で下車後、徒歩5分という選択肢もあります。駐車場も完備されており、「大造り物」の恐竜のオブジェが目印となるため、初めて訪れる方でも迷うことなく辿り着けるでしょう。
「本さつまや」の料理は、単なる郷土料理に留まらず、百五十年の伝統を大切にしつつも、日本料理に新しい風を取り入れるという七代目料理長の研鑽が息づいています。地元の土、水、自然環境で育まれた地酒との相性も抜群で、料理とのマリアージュを楽しむことができます。メニューはコース料理が中心で、山都の四季を十皿で表現する「山里コース」(4,000円)、料理長が厳選した旬の食材を堪能できる「料理長おまかせコース」(7,000円)、そしてその季節で最高の高級食材をふんだんに使った「本さつまやスペシャル」(10,000円)などが用意されています。予算やシチュエーションに応じて3,000円からの会席料理も相談可能です。地鶏の茹で刺身といった伝統料理から、二日間かけて炭火で燻製にした天然ヤマメ、冬には珍しい猪肉を使った猪鍋など、ここでしか味わえない独自の山里料理が提供されます。
店内は、全300席と広々としており、多様なシーンに対応できる座席が用意されています。1階には、料理長が自ら調理と接客を行うこだわりのカウンター席とソファ席が設けられ、お客様との会話を楽しみながら料理を味わえる空間が広がります。2階には各種個室や小宴会場があり、顔合わせや接待、家族での会食など、プライベートな時間を過ごしたい場合に最適です。さらに3階には大宴会場も完備されており、大人数での会合や各種宴会にも利用できます。個室が充実しているため、慶事や法事といった大切な節目の食事にも安心して利用できるでしょう。
一般的なサービスに加えて、「本さつまや」にはいくつかの特別な魅力があります。その一つが、月に一度、主に第三水曜日に提供される手打ち蕎麦のランチ「蕎麦の日」です。地元の新鮮な食材を活かした料理とともに、特別な蕎麦を味わうことができる貴重な機会として、多くの愛好家から注目を集めています。また、割烹料理店でありながら、人生の門出を祝う結婚式の会場としても利用されており、人力車を使ったユニークな演出も好評を博しています。ディナータイムには特に閉店時間を設けていないため、時間を気にすることなく心ゆくまで山里料理と会話を楽しむことができるのも、お客様への細やかな配慮が感じられる点です。料理長は、究極の地産地消を目指し、全ての食材を半径4キロメートル圏内で賄うことを目標にしており、その取り組みが「本さつまや」の料理の質の高さと、地域への貢献にも繋がっています。