熊本県葦北郡津奈木町の福浜に位置する「つなぎオイスターバル」は、不知火海を見下ろす高台にある旧平国小学校の跡地を活用した、漁業協同組合直営の欧風カキ小屋です。毎年1月から4月末頃までの期間限定で営業しており、冬から春にかけて旬を迎える新鮮な海の幸を堪能できることで知られています。肥薩おれんじ鉄道津奈木駅から車で約12分、南九州西回り自動車道津奈木ICからは約15分、また津奈木温泉からは車で約16分の場所にあり、20台分の駐車場も完備されています。道中には一部狭い箇所があるため、訪問の際は注意が必要です。
このオイスターバルの最大の特徴は、廃校となった小学校の趣を残しながらも、開放的な空間で食事ができる点です。海を一望できる絶好のロケーションは、訪れる人々に非日常的な体験を提供します。かつての校舎の面影が随所に残り、懐かしさを感じさせる雰囲気は、大人から子どもまで幅広い世代に親しまれています。週末や祝日を中心に営業し、その年の牡蠣の状況により終了時期は変動しますが、通常は4月頃まで新鮮な牡蠣が提供されます。
メニューの中心は、不知火海の豊かな栄養で育まれた津奈木産の真牡蠣です。以前に比べてサイズが大きく、身がプリプリとして濃厚な味わいが特徴と評されています。牡蠣は1キロあたり1,500円で販売されており、店内で焼き牡蠣として楽しむほか、持ち帰りも可能です。店内では、牡蠣(8個前後)と欧風トッピング3種(ガーリックバター、焦がし醤油、ゆずごしょう、チリトマト、ガーリックパウダーなど)のセットが1,500円で提供され、多彩な味わいを体験できます。
牡蠣以外にも、地元の海の幸を活かしたサイドメニューが充実しています。不知火海で獲れた足赤えびは1尾300円、活ひおうぎ貝は1個200円、活さざえも1個200円で提供されます。また、ウインナー1本100円、手作りのじゃこめし1パック250円、そして地元のパン工房に特注したパンと手作りバジルソースのセット300円といった、ユニークなメニューも並びます。特に、燻製牡蠣のアヒージョやフレッシュバジルオイルは人気があり、パンや他の料理にも合うと評判です。ドリンクメニューも豊富で、生ビール500円、瓶ビール(プレミアムモルツ)600円、グラスワイン(赤・白)300円、地元の酒蔵「亀萬酒造」の日本酒小瓶700円、ノンアルコールビール250円、ソフトドリンク200円などが揃い、食事に合わせて選べます。ランチの平均予算は2,000円から2,999円程度です。
座席については、特定の個室やソファ席の案内は見られませんが、廃校の教室などを利用した開放的な空間で、海を望む席が配置されています。特別なサービスとしては、モンベルクラブ会員への牡蠣2個またはソフトドリンクサービス(10名まで適用)や、SNSでの「いいね」提示による牡蠣1個サービスといった特典が過去に提供されていたことがあります。来店時には検温やアルコール消毒などの感染症対策も実施されており、安心して食事を楽しめる環境が整えられています。家族や友人とのグループ利用にも適した、地元の恵みを味わえる体験型レストランとして、多くの人々が訪れています。