熊本市の新たな玄関口として賑わうアミュプラザくまもと7階に位置していた「The Seafood Beer Station KAEN」は、かつて熊本の食とビール文化に新たな風を吹き込んだシーフードビアレストランでした。JR熊本駅東口から徒歩約1分という抜群のアクセスを誇り、駅ビル直結という利便性から、多くの人々が気軽に立ち寄れる場所として親しまれていました。
この店舗は、熊本に拠点を置くクラフトビール醸造所の直営店として、「クラフトビールとの出会い」をコンセプトに掲げていました。自社で醸造したオリジナルのクラフトビールをはじめ、国内外から厳選された個性豊かなクラフトビールを常時数種類提供し、訪れる人々に多彩なビールの魅力と奥深さを伝えていました。特に、新鮮なシーフードとクラフトビールのマリアージュを提案する新業態は、開業当初から大きな話題を集め、ビール愛好家やシーフード好きの注目を集めました。
提供される料理は、新鮮な魚介をふんだんに使用した地中海料理やイタリアン、さらにはアメリカンダイナーのエッセンスを取り入れたモダンアメリカンなビア料理が特徴でした。メニューには、ワタリガニのサフランクリームパスタ、シーフードを贅沢に使ったパイやカレー、熊本県産サーモンのカルパッチョ、そして上天草産の生オイスターなど、こだわりの品々が並びました。旬の魚介をシンプルに味わえるセビーチェや、海老やホタテ、野菜がたっぷりと入った魚介極上カレー、大ぶりのムール貝を使用したムールマリニエール夫人なども人気を集め、ブイヤベースも提供されていました。ランチの客単価は約1,200円、ディナーでは約4,000円と、時間帯によって異なる価格帯で、様々なシーンでの利用に対応していました。
店内は洗練されたおしゃれな空間が広がり、約60席の座席が設けられていました。テーブル席のほか、気軽に利用できるカウンター席、ゆったりと寛げるソファ席が用意され、多様な利用シーンに対応していました。席間にはゆとりがあり、プライバシーにも配慮された配置で、安心して食事を楽しめる環境でした。個室の用意はありませんでしたが、車椅子での入店も可能で、バリアフリーに配慮された設計でした。窓際の席からは、熊本市内の景色や夜景を眺めることができ、食事とともに特別な時間を演出していました。
「The Seafood Beer Station KAEN」では、お客様への特別なサービスも特徴の一つでした。DX(デジタルトランスフォーメーション)化の一環として、スマートフォンからの注文システムを導入し、スマートなオーダーを可能にしていました。また、自動配膳ロボット「サービー」が導入され、未来的なサービスを提供していました。顔認証カメラセンサーによる顧客情報の一元管理も試みられ、きめ細やかなサービス向上に繋げようとする取り組みが見られました。お祝いやサプライズの際には、バースデープレートの提供も可能で、特別な日の食事を彩る手伝いも行っていました。ハッピーアワーやテイクアウトにも対応し、子供連れの利用も歓迎され、ベビーカーでの入店も可能でした。
しかしながら、「The Seafood Beer Station KAEN」は、現在、営業を終了しております。熊本駅直結という好立地で、シーフードとクラフトビールの新たな楽しみ方を提案し、多くの食通や地元の人々に愛されたこのレストランは、その役割を終え、閉店しています。