長崎県雲仙市国見町多比良乙に位置する「割烹旅館 観月荘」は、山海の豊かな恵みを享受するこの地で、約100年の歴史を紡いできた老舗の割烹旅館です。有明海の新鮮な海の幸と雲仙の山の幸をふんだんに取り入れた、四季折々の旬の料理と温かいおもてなしで、訪れる人々を魅了し続けています。
交通アクセスにおいては、島原鉄道多比良駅からは徒歩約1分と非常に近く、駅を降りてすぐの場所に位置しています。車を利用する場合も、長崎自動車道諫早インターチェンジから約40分、有明フェリー多比良港からは車で約3分と、いずれの手段でもアクセスしやすい立地です。駐車場も15台分用意されており、無料で利用できますが、事前の予約が推奨されています。
観月荘の大きな特徴は、その名の通り「割烹」の看板を掲げる質の高い料理にあります。特に、国見町名産の「たいらガネ(たいら蟹)」は、春から夏にかけての雌、秋から冬にかけての雄と、季節によって異なる味わいが楽しめる名物料理として知られています。秋から冬にかけては、カキやフグといった旬の味覚も堪能できます。料理には、地元雲仙市の「雲仙つむら農園」で農薬や化学肥料、除草剤を使わずに育てられたオーガニック野菜を積極的に取り入れており、地元の食材へのこだわりが感じられます。長崎和牛のコースでは、肉本来の旨味とまろやかな脂身が絶妙なバランスの長崎和牛を、目の前で焼き上げて楽しむことができます。さらに、栄養豊富なすっぽん鍋やから揚げ、島原で水揚げされたフグを刺身、湯引き、から揚げ、煮物、雑炊と多彩な調理法で味わえるフルコースも提供されています。朝食には、SNSでも話題の雲仙ハムや有明海産のあおさ汁が供される和朝食で、心温まる一日の始まりを迎えられます。また、代々受け継がれてきた三角形の油揚げが特徴的な「観月いなり」や、和菓子職人だった先代直伝の「招福おはぎ」といった名物もあり、これらはお弁当やテイクアウト(要予約)でも人気を集めています。
客室は、10畳の和室や2間続きの客室が用意されており、ゆったりと過ごせる空間が提供されています。また、古民家をリノベーションした一棟貸切の部屋もあり、家族や仲間との滞在、あるいは長期滞在にも適した、まるで実家に帰ってきたかのような懐かしい雰囲気の中でくつろげます。食事は宿泊プランに含まれていることが多く、標準的な2食付きプランでは一人あたり12,200円程度から、長崎和牛のコース付きでは16,940円程度から提供されています。朝食付きプランや素泊まりプランも選択可能です。
観月荘は、単なる宿泊施設や飲食店にとどまらない、地域との連携を深める取り組みも行っています。サイクリストに優しい宿を目指しており、一部の客室には自転車を壁掛けできるサイクルラックが設置され、ロードバイクを持ち込むことが可能です。また、サイクリングイベントの際にはエイドステーションとしての役割も果たしています。さらに、「収穫体験サイクリングツアー」では、地元の農家での収穫体験の後、観月荘で採れたての野菜を使ったランチを楽しむことができ、一次産業と観光を結びつける新たな試みにも挑戦しています。館内は全館禁煙ですが、玄関横に喫煙スペースが設けられています。ビジネスやワーケーションでの利用を考慮し、68インチの大型モニターも備えられています。支払いは非接触型決済にも対応しており、感染症対策にも配慮が見られます。