福岡県直方市殿町に位置する「塩cafe」は、国の登録有形文化財にも登録されている「旧前田園本店」の建物をリノベーションして誕生した、歴史と新しさが融合する古民家カフェ&バーです。JR筑豊本線直方駅からは徒歩約7分から11分ほどの距離にあり、レトロな商店街を抜け、閑静な住宅街に溶け込むその佇まいは、訪れる人々を大正時代へと誘うかのような独特の雰囲気をまとっています。駐車場も完備されており、車でのアクセスも便利です。
このカフェは「まちおこし」を目的として、築90年を超える大正15年建築の建物を守りたいというオーナーの思いから再建されました。ご夫婦が半年をかけて、土間や吹き抜けといった建築当初の姿を極力再現しながらリノベーションを手がけており、店内は足を踏み入れた瞬間に、懐かしさと世界観に圧倒されるようなノスタルジックな空間が広がっています。古風でありながらも洗練された和モダンな内装は、落ち着いた時間を過ごすのに最適です。
「塩cafe」は、昼はカフェとして、夜はバーとして多様な顔を持ち、地域の人々が気軽に集える憩いの場となることをコンセプトに掲げています。カフェメニューとしては、地元直方の老舗「前田園本店」の抹茶やほうじ茶をふんだんに使用したラテが人気で、「成金饅頭」を添えたセットも提供されています。抹茶ラテやほうじ茶ラテ、キャラメルラテ、カフェラテのホットドリンクには、フードペンを使った可愛らしいアートが施されるサービスもあり、目でも楽しめる一杯となっています。ランチタイムには、牛すじをじっくり煮込んだコクと甘みのあるオリジナルカレーが好評で、日替わりで提供されることもあります。また、パスタメニューも充実しており、定番のナポリタンやペペロンチーノ、和風パスタ、明太子クリームパスタなどが楽しめます。その他にも、カレーうどんや焼きカレーうどん、辛麺、季節限定のどてんや冷製パスタ、お子様ランチまで幅広いフードメニューが揃っています。スイーツでは、チーズケーキやアップルパイ、ガトーショコラ、成金饅頭に加え、オリジナルスイーツの「成トッツォ」など、様々な甘味が用意されています。夜のバータイムには、カクテル、日本酒、焼酎、ワインなど豊富な種類のアルコールを提供しており、昼飲みも可能なため、様々なシーンで利用できます。おおよその予算は、ランチで1,000円台、ディナーで2,000円台が目安とされています。
総席数は40席で、個室や座敷、ソファ席、掘りごたつ、カウンター席、テラス席の用意はありませんが、貸切利用にも対応しています。店内の小上がり席や、茶箱を再利用したユニークな座席など、古民家ならではの趣を感じながらくつろぐことができます。Wi-Fiの設備はありませんが、全席喫煙可能となっており、支払い方法には各種クレジットカード、電子マネー、QRコード決済が利用できるため便利です。
特別なサービスとして、「塩cafe」では多岐にわたるイベントを積極的に開催しています。店内にはステージとレトロなピアノが設置されており、ライブショーやバンド演奏、コンサートなども行われることがあります。パブリックビューイングや貸館としても利用できるため、地域イベントの会場としても機能しています。「塩cafe劇場」と称されるスペースでは、音楽イベントなどを中心に多様な催しが開催され、地域コミュニティの中心としての役割も担っています。また、10名以上での事前予約に限り飲み放題プランの提供も可能で、お祝いやサプライズにも対応しています。細やかな気配りとして、提供されるお冷には美容と健康に良いとされる水素水が使われている点も特筆されます。入店時には体調不良の方への自粛呼びかけやマスク着用依頼、店内での消毒液設置、席間の間隔確保、非接触型決済の導入など、衛生管理にも配慮が見られます。さらに、店内では駄菓子や作家のアクセサリーの販売も行われています。将来的にはサウナや美容関連施設の提供も準備中とされており、訪れる人々にさらなる多様な体験を提供することを目指しています。