福岡県糸島市前原東に店を構える「こんあんこ」は、あんこ好きの店主が営む、たい焼きの専門店だ。JR筑肥線の筑前前原駅から徒歩約7分から10分ほどの距離にあり、糸島市立図書館の真向かいという分かりやすい立地が特徴である。散策の途中に気軽に立ち寄れることもあり、地元住民だけでなく、糸島を訪れる観光客にも親しまれている。専用の駐車場はないため、公共交通機関や近隣のコインパーキングの利用が推奨される。
この店の最大のこだわりは、なんといっても「あんこ」にある。店主がその味に惚れ込み、自ら店を開くきっかけとなったのが、東京板橋区にある老舗「木下製餡(キノアン)」のあんこだ。テレビ番組「マツコの知らない世界」で“日本一美味しいあんこ”として紹介されたこともあるこのあんこを、ここ糸島で味わえるのが「こんあんこ」の魅力となっている。上品で後味がすっきりとした甘さが特徴で、甘いものが得意でない人でも最後まで美味しく食べられると評判だ。
提供されるたい焼きのメニューは、定番の「つぶあん」に加え、店主イチオシのなめらかな「こしあん」、そして珍しい「しろあん」など、あんこ好きにはたまらないラインナップが揃う。一般的なたい焼き店では手間がかかるため珍しいとされるこしあんを提供しているのも、あんこへの深い愛情の表れと言えるだろう。それぞれのあんこの風味を最大限に活かすため、生地はしっとりと柔らかく焼き上げられている。あんこが苦手な人や子ども向けに、板チョコを挟んで焼き上げた「チョコ」のたい焼きも用意されており、熱でほどよく溶けたチョコレートの味わいが人気を博している。価格帯は「こしあん」や「つぶあん」が220円(税込)、「チョコ」も同価格帯で提供されるなど、手頃な価格設定となっている。また、アレルギーにも配慮し、予約をすれば追加料金50円で生地を米粉に変更することも可能だ。米粉の生地はもちもちとした食感が特徴で、通常とはまた違った美味しさを楽しむファンも多い。
店内には、カウンター席とテーブル席を合わせたイートインスペースが設けられており、購入したたい焼きをその場でゆっくりと味わうことができる。外から見るよりも広々とした空間で、隠れ家的な雰囲気も魅力の一つだ。キッズスペースや絵本も置かれているため、子連れの家族でも安心して訪れることができる。夏期(主に7月・8月)にはたい焼きの製造は休みとなり、代わってかき氷が季節限定メニューとして登場する。このかき氷には、自慢のあんこをトッピングすることも可能だ。
特別なサービスとして、テイクアウトはもちろん、電話での予約も受け付けている。手土産用に、シンプルなタイのハンコが押されたおしゃれな紙袋も用意されており、贈り物としても喜ばれるだろう。店舗の外には、ドリンクや雑貨が並ぶユニークな自動販売機が設置されており、中にはたい焼きの割引券が当たる「当たりくじ付き」のドリンクもあるなど、店主の遊び心が感じられる。
営業時間は午前10時から午後4時までだが、たい焼きが売り切れ次第閉店となるため、早めの時間帯に訪れるのが確実だ。定休日は月曜日と火曜日となっている。あんこへの情熱から生まれたこだわりのたい焼きを求め、今日も多くの人々がこの店を訪れている。