福岡県北九州市小倉南区下貫に位置する「おたま本舗なか川」は、地元で長く愛され続ける和菓子と洋菓子を扱う専門店です。JR日豊本線下曽根駅北口からは徒歩でおよそ39分を要しますが、店舗には駐車場が2台分設けられており、車でのアクセスも可能です。幹線道路からのアクセスも比較的良好で、地域住民だけでなく遠方からも訪れる人がいます。
この店の最大の特徴は、その独創的なお菓子と、素材へのこだわりから生まれる質の高い味わいにあります。特に看板商品として知られるのが「おたま」という名の銘菓です。この「おたま」は、幸せを呼ぶ鳥として知られる「アロウカナ」が産み出す、希少なエメラルド色の卵を贅沢に使用し、一つ一つ丁寧に心を込めて手作りされています。その見た目は一見すると普通のお饅頭のようでありながら、口に運ぶとふわりとした独特の食感が広がり、その優しい口当たりはメレンゲを固めたかのようでもあります。中には甘さを控えめにした上品な白餡が包み込まれており、餡が苦手な方でも食べやすいと評判です。この特別な卵が、おたま本舗なか川ならではの深い味わいと、どこか懐かしい温かみのある風味を生み出しています。
「おたま」と並ぶもう一つの名物として、「福耳大福」が挙げられます。こちらは、非常に柔らかく伸びの良い餅生地の中に、小豆、抹茶、パンプキン、プリン、カフェオレといった多種多様な餡が詰められた生大福です。その一口食べると幸福が訪れるかのような、ふっくらとした見た目と、それぞれの餡が織りなす繊細な味わいが人気を集めています。季節ごとに登場する限定の味わいもあり、訪れるたびに新しい発見があるのも魅力の一つです。
また、年間を通して多くのファンに支持されているのが「わらびもち」です。特に「わらびもちこーひー」は、もちもちとした食感とコーヒーの風味が絶妙に調和した逸品として高い評価を得ています。その他にも、伝統的な和菓子のどら焼きや、洋菓子の手作りプリン、焼きドーナツなども取り揃えられており、幅広い年齢層の客層に合わせた多様なラインナップが自慢です。過去には、テレビ番組で「かっぷinみたらしだんご」が紹介されたこともあり、こちらも気軽に楽しめる人気商品です。
おたま本舗なか川では、普段使いのおやつとしてだけでなく、特別な日のためのサービスも提供しています。満1歳の誕生日を祝う際に用いられる「誕生餅」をはじめ、お祝い事やお供えに欠かせない「赤飯」、「鏡餅」、「小餅」などの注文も受け付けています。これらの餅は、佐賀県産の「ひよく米」と北海道産の小豆を使用し、品質にこだわって作られています。
店舗の主な営業時間は午前9時からで、月曜日、日曜日、祝日は午後5時まで、火曜日から土曜日、祝前日は午後6時まで営業しています。不定休のため、訪れる際は事前に確認することをおすすめします。店内での飲食スペースは限られており、基本的にテイクアウトが中心の販売スタイルです。そのため、店内は常に清潔に保たれ、スタッフによる頻繁な手洗いやマスク着用、換気設備の設置、共有スペースの消毒など、感染症対策にも積極的に取り組んでいます。北九州の銘菓として、時には市内の百貨店や小倉城庭園などの期間限定イベントに出店することもあり、地域を代表する菓子店としてその名を広げています。