愛媛県松山市束本1丁目75に位置していた「揚げ足鳥 伊予万里 束本店」は、愛媛県四国中央市発祥の郷土料理である「揚げ足鳥」を専門に提供していた鶏肉料理店でしたが、2023年8月20日をもって閉店いたしました。かつては、松山環状線沿い、ラーメン工房りょう花の向かいに店を構え、宮脇書店束本店や麺処庵が近隣にありました。松山インターチェンジからは車で約15分、福音寺駅からは約1,258メートルの距離にあり、他店舗と共用の駐車場が完備されていたため、車でのアクセスが便利な立地でした。
「揚げ足鳥 伊予万里 束本店」は、2020年7月21日にオープンし、四国中央市で親しまれてきた「揚げ足鳥」の味を松山市で楽しめる貴重な店舗として営業していました。その最大の特徴は、香川県の骨付鳥とは異なり、「揚げる」調理法にこだわり、鶏の骨付きもも肉を丸ごと揚げた名物の「揚げ足鳥」でした。皮はパリパリと香ばしく、中はジューシーに仕上げられており、一口食べれば鶏本来の旨味が口いっぱいに広がる味わいが特徴的でした。シンプルな塩コショウで味付けされ、卓上のガーリックや塩をかけて食べるのが推奨されていました。
提供されていたメニューは、「揚げ足鳥」の他に、骨なしの唐揚げである「ザンギ」も看板メニューの一つで、特にジューシーで美味しいと評判でした。ランチタイムには、揚げ足鳥に鶏めしとポテトサラダが付いた「名物・揚げ足鳥定食」(1,518円)や、ザンギとふわふわのだし巻き卵がセットになった「だし巻付ざんぎ玉定食」(1,298円)などが提供され、定食のご飯は通常鶏めしでしたが、品切れの場合は白ご飯となることもありました。夜の営業では居酒屋スタイルで、骨付き手羽、砂肝ピリピリ揚げ、手羽先、キモといった様々な揚げ鳥メニューに加え、濃厚な卵の味が楽しめるだし巻き卵、鶏めし、シーザーサラダ、ズリポン酢、お刺身生くらげ、カマンベールフライ、ミックス軟骨揚げなどの一品料理も豊富に揃っていました。また、松山束本店限定とされていた「鳥中華そば」(880円)も提供されており、鶏白湯スープに中太の縮れ麺、鶏チャーシュー、フライドガーリック、刻み玉ねぎが入った、コクがありながらも甘みのある味わいが好評でした。
店内は総席数34席で、全席が半個室のように仕切られた造りとなっていました。2人掛けのカウンター席が2卓、4人掛けのテーブル席が3卓、6人掛けのテーブル席が3卓配置されており、通路と席の間には暖簾がかけられていたため、他のお客さんを気にすることなく、プライベート感を保ちながら落ち着いて食事を楽しむことができました。このような配慮は、家族連れや少人数での利用にも適しており、居心地の良い空間を提供していました。
特別なサービスとしては、店内飲食だけでなくテイクアウトにも力を入れており、来店客の多くがテイクアウトを利用するほど人気でした。電話での事前予約も可能で、揚げ足鳥やザンギ、揚げ足弁当などが持ち帰り可能でした。また、店舗の入り口付近には、四国中央市の名産品を販売するコーナーも設けられており、地域の魅力を発信していました。営業時間は通常、ランチが11時から14時(ラストオーダー13時45分)、ディナーが17時から22時(ラストオーダー21時30分)で、火曜日が定休日とされていました。このように、「揚げ足鳥 伊予万里 束本店」は、四国中央市発祥の「揚げ足鳥」を松山で広め、多くの人々に愛された鶏肉料理店でした。