徳島県徳島市両国本町2丁目16 201号早見悟方にかつて存在した「両国わじ庵」は、隠れ家的な雰囲気で知られる本格和食の店でした。かつて、徳島駅からは徒歩約8分(約600m~620m)、阿波富田駅からは徒歩約9分~10分(約680m~740m)というアクセスに恵まれた立地ながら、繁華街のビルの一角、あるいは古びた建物の2階にひっそりと佇むその姿は、まさに知る人ぞ知る存在として、多くの食通の興味を惹きつけていました。最寄りのバス停である両国本町からは徒歩約1分(約78m)と至近距離にあり、知っていれば非常に訪れやすい場所にありました。
「両国わじ庵」は、そのコンセプトとして「特別な空間でくつろいでいただける場所」を掲げ、お客様に忘れられないおもてなしを提供することを重視していました。店内は和モダンな内装で統一されており、随所に配された竹の装飾が落ち着いた雰囲気を醸し出し、ジャズが静かに流れる空間は、日常の喧騒を忘れさせるかのような安らぎを提供していました。初めて訪れる際には、看板がない、あるいは目立たない入り口からインターホンを鳴らして入店するという独特のスタイルが、さらに隠れ家感を高め、訪れる人々を異空間へと誘う演出となっていました。
提供される料理は、徳島県産の豊かな食材をふんだんに使用した本格的な懐石料理が中心でした。鳴門海峡で獲れる身の引き締まった新鮮な鯛は、活造りや土鍋で炊き上げる鯛めしとして供され、その確かな品質と味わいは多くの客を魅了しました。また、徳島が誇るブランド牛である阿波牛は、濃厚な旨みを感じる山葵焼きなどで提供され、その質の高さが際立っていました。旬の自家栽培野菜も料理に取り入れられ、季節感あふれる品々が懐石コースを彩っていました。例えば、筍土佐煮、蒸し鮑鶯仕立て、苺と三つ葉の白和え、蕗青煮、干し蛍烏賊の炙りなど、手間暇をかけた美しい料理の数々が提供され、目と舌を楽しませていました。料理に合わせて厳選された地酒や梅酒など、豊富な種類のお酒も取り揃えられており、料理との相乗効果で一層深い味わいを堪能できました。当時のディナーの予算は一人あたりおよそ8,000円程度とされており、質の高い料理と空間に見合った価格設定となっていました。
座席は主に半個室形式が採用されており、プライベートな空間でゆったりと食事を楽しむことができました。広々とした造りとなっており、総席数は31席程度との情報もありましたが、席間がゆったりと確保され、周囲を気にすることなく会話や食事に集中できるような配慮がなされていました。
「両国わじ庵」は、完全予約制で運営されており、その独自の入店方法も相まって、まさに「秘密にしておきたい」と多くの客に言わしめるほどの特別感を演出していました。実際に、リピート率は85%という高い数値を誇り、一度訪れた客がその質の高さと唯一無二の体験に魅了され、繰り返し足を運ぶという特徴がありました。支払い方法としては、PayPayによるQRコード決済も利用可能でした。
なお、「両国わじ庵」は、現在、この両国本町の住所からは移転しており、同じ名称の店舗は徳島市寺島本町西に場所を移して営業しています。