岐阜県多治見市太平町に佇む「喫茶ZOHO」は、陶磁器の製造販売を手掛ける「蔵珍窯」の敷地内に位置する古民家風のカフェです。JR多治見駅北口から徒歩でおよそ15分から24分程度の距離にあり、駐車場も完備されているため、車でのアクセスも便利です。国道19号線から太平町の交差点を曲がり、ゴルフ練習場を越えた先に広がる趣のある空間に辿り着けます。
2021年3月にオープンしたこのカフェは、「うつわと時を愉しむ」をコンセプトに掲げており、日常から離れて穏やかなひとときを過ごせる場所として親しまれています。築350年にも及ぶ江戸時代の古民家を福井県や新潟県から移築再生したという建物は、太い梁や柱が特徴的な歴史を感じさせる佇まいです。門をくぐり暖簾をくぐると、蔵珍窯の美しい陶磁器が並ぶ広い土間が広がり、訪れる人々を温かく迎え入れます。靴を脱いで上がる小上がりスタイルは、まるで実家に帰ってきたかのような心安らぐ空間を演出しています。
店内には、囲炉裏のあるお部屋に配されたテーブル席のほか、庭園の景色を眺めながらくつろげるカウンター席、そして奥には床の間を備えたお座敷席が用意されており、多様なシーンで利用できます。さらに、外には庭園を見渡せる縁側席もあり、四季折々の美しい景観を目の前に、ゆったりとしたカフェタイムを満喫できます。個室も完備されているため、プライベートな時間を過ごしたい方にも最適です。
提供されるメニューは、多治見の地で美濃焼を製造する蔵珍窯ならではのこだわりが光ります。愛知県春日井市の自家焙煎コーヒー専門店「ポライト」が手掛ける「蔵珍ブレンド」のコーヒーをはじめ、紅茶や抹茶が用意されています。季節のコーヒーは550円から、その他に自家製レモンシロップや自家製うめシロップを使った水割りやソーダ割り、各種ジュースも楽しめます。スイーツでは、愛知県春日井市の「カフェ百時」のチーズケーキが常時5種類ほど用意されており、ドリンクとのセットでは飲み物代に550円を追加することで堪能できます。これらのドリンクやスイーツは全て蔵珍窯の美しい器で提供され、器の温もりや繊細な絵付けを目と舌で味わうことができます。
喫茶ZOHOでは、ただ飲食を楽しむだけでなく、器を深く知る特別な体験も提供しています。提供される器には、蔵珍窯の窯印や顔料に関する説明が添えられており、その背景にある職人の想いを感じることができます。気に入った器は、カフェに併設された蔵珍窯のギャラリーで購入することも可能です。また、事前に予約すれば工房見学も可能で、美濃焼の伝統と職人の技に触れる貴重な機会を得られます。季節によって店内の建具が模様替えされるなど、細やかな気配りが空間全体の魅力を一層引き立てています。お支払いにはPayPayなどのQRコード決済も利用できます。
営業時間は10時から16時までで、ラストオーダーは15時30分です。水曜日と日曜日、お盆、年末年始が定休日となっており、蔵珍窯のイベント開催時には臨時休業やテイクアウトのみの営業となる場合があるため、訪問の際は事前に確認することをおすすめします。美しい器と歴史ある空間が織りなす「喫茶ZOHO」は、心安らぐ贅沢な時間を求める人々にとって、訪れるたびに新たな発見がある特別な場所となるでしょう。