愛知県名古屋市千種区自由ケ丘2丁目10-30に位置していた「八O吉」は、かつて名古屋市営地下鉄名城線自由ヶ丘駅1番出口から徒歩わずか0分、あるいは1分という極めて優れたアクセスを誇る場所にありました。自由ヶ丘駅西交差点の角付近に店を構え、その立地の良さから多くの人々に親しまれていました。電話番号は052-734-3184でした。
「八O吉」は、「日々の暮らしにカレーなる体験を」というコンセプトを掲げ、和モダンでカジュアルな雰囲気が特徴のスパイスカレー専門店として運営されていました。名古屋市内の大学生たちが立ち上げた店舗であり、その若々しい感性と情熱が随所に感じられる空間でした。特に、オーナーの実家である卸専門の八百屋「八百吉商店」から毎朝仕入れる新鮮な旬の野菜をふんだんに使用したカレーが、お店の大きな魅力の一つでした。辛さを抑えつつもスパイスの奥深い香りと旨味が凝縮されたカレーは、健康志向の高い方々からも支持を集めました。元々は民家だった建物をスタッフ自らの手で改装し、壁塗りなども行ったというエピソードは、店舗への深い愛情とこだわりを物語っています。店内は「おしゃれな雰囲気」と評され、落ち着いた空間で食事が楽しめるカウンター席も設けられていました。全体で10席ほどを有し、貸し切り利用も可能でした。
メニューの中心は、定番の「八O吉カレー」と、旬の食材を取り入れた月替わりのカレーでした。「八O吉カレー」は、数種類の野菜を丹念に煮込み、複雑な旨味を引き出した特製カレーベースにしっとりとしたチキンを加えた一品で、価格は1,280円でした。月替わりのカレーは季節ごとに内容が変わり、例えば「柚子香る鰆とカブのカレー」や「春一番、蕗のとうとタコのキーマ」といった独創的なメニューが提供され、価格は1,480円でした。いずれのカレーも12種類もの野菜を使用しており、一日に必要なビタミンを美味しく摂取できる工夫が凝らされていました。さらに、ご飯にもスパイスを含ませて炊き上げるなど、細部にわたるこだわりが見られました。カレーはプラス100円で辛さを増したり、大盛りに変更することもできました。
ランチの時間帯は概ね1,500円程度、夜は2,000円程度で利用できる価格帯でした。カレーの他にも、食後のデザートとして「プリンちゃんのプリン」(500円)や、アールグレイ、焦がしキャラメルとラフランスの2種類のパウンドケーキも提供されており、食後の楽しみも充実していました。ドリンクでは、オリジナルのブレンド珈琲や「ジンジャーレモネード&スモーキー」といったユニークな選択肢がありました。
「八O吉」は、当初デリバリー専門店としてスタートし、その後実店舗を構えてからもテイクアウトを主体とした営業を行っていました。レンジアップ可能な容器で提供されるため、自宅でもお店の味を温かく楽しむことができる点が評価されていました。その斬新なコンセプトや提供されるカレーの質から、中京テレビ「キャッチ」やCBCテレビ「花咲タイムズ」、東海テレビ「ニュースONE」など、数多くのテレビ番組を含むメディアにも取り上げられ、大きな反響を呼びました。
しかしながら、この愛知県名古屋市千種区自由ケ丘2丁目10-30にあった「八O吉」は、残念ながら2024年3月をもって閉店いたしました。現在、この場所には「KAMU」という別のお店がオープンしています。