愛知県豊田市若宮町に位置していた「高級芋菓子しみず 豊田三越店」は、T-FACE A館2階に2022年4月22日にグランドオープンした高級芋菓子専門店でした。名鉄三河線豊田市駅から徒歩約2分(約150m)、愛知環状鉄道新豊田駅からは徒歩約3分(約180m)という、駅からのアクセスに優れた立地で、開業当初は多くの注目を集めました。しかしながら、この店舗は2022年12月5日をもって閉店しました。
「高級芋菓子しみず」は、高級「生」食パンで知られる『乃が美』の創業者が手がけたさつまいもスイーツのブランドであり、「親しみのある味わいに高級感を」というコンセプトを掲げていました。日本で古くから愛されてきたさつまいもの持つ本来の美味しさ、品種ごとの多様な風味、そして手間暇かけた製法による深い味わいを追求し、提供していました。
店舗で提供されていたお芋は、鹿児島県を中心とした契約農家から直接仕入れられた厳選されたものだけでした。プロの芋問屋が畑や気候、生産者の状況を細かく見極め、その時々に最も優れた品質のさつまいもを選んでいました。収穫されたさつまいもは、さらに2〜3ヶ月もの期間をかけてじっくりと熟成させ、果肉の「追熟」を促すことで、甘みが最大限に引き出された状態に仕上げられていました。これらの熟成されたさつまいもは、一度焼き芋にされ、さらに一晩寝かせることで甘みが凝縮された「濃密焼き芋」となり、様々な高級芋菓子へと生まれ変わっていました。
「高級芋菓子しみず 豊田三越店」は、基本的にテイクアウトを中心とした営業形態でしたが、店内には7席のカウンター席が設けられており、購入した商品をその場で味わうことができるイートインスペースも利用できました。
かつて提供されていたメニューには、同ブランドの代表的なお芋スイーツが並んでいました。高温でさっと揚げ、たっぷりの蜜をかけた「熟成大学芋」は、口の中でとろけるような食感が特徴で、当時の価格は650円でした。ソフトクリームと大学芋を組み合わせた「しみずのカップソフト」は、芋チップでディップするなどの楽しみ方もでき、500円で提供されていました。見た目も華やかな「カラフルクリームソーダー」は600円、濃厚な芋の甘みとリンゴのシャキシャキとした食感が楽しめる「お芋のスムージー」は650円でした。「お芋のパフェ」は紅はるかと安納芋の焼きペースト、紫芋プリン、鳴門金時棒、胡麻さつまいもチップスなど、様々な芋の要素が詰まった人気の品で、650円で提供されていました。さらに贅沢な「芋」パフェは1,100円、焼き芋をベースにした「和スイートポテトセット」は1,500円(後に1,650円)でした。また、「魅惑の焼き芋ブリュレ」は、濃密焼き芋の表面をキャラメリゼすることでパリッとした食感と、冷たいバニラアイスとの温冷のコントラストが楽しめる一品でした。
特別なサービスとして、オープン後の2022年5月には、母の日キャンペーンも実施されていました。この期間中には、商品購入とSNSアカウントのフォロー画面提示を条件に、新フレーバーの「キャラメルナッツ」熟成大学芋が数量限定でプレゼントされるなど、来店客への特別な配慮が見られました。また、和スイートポテト4種と熟成大学芋が入ったギフトセットも2,000円で販売されており、贈答品としても活用されていました。
短い営業期間ではありましたが、「高級芋菓子しみず 豊田三越店」は、素材の選定から製法までこだわった高品質な芋菓子を通じて、さつまいもの新たな魅力を発信し、多くの人々に特別な芋スイーツ体験を提供していました。