名古屋市東区東桜、アーバンネット名古屋ビル地下1階に位置する「うなぎの兼光 久屋大通店」は、三河一色産の新鮮なうなぎを専門に提供する店舗でした。地下鉄久屋大通駅から地下街セントラルパークを通じて直結するブロッサの地下1階にあり、栄駅からもアクセスしやすい立地でした。2022年10月22日に「新仔うなぎ専門店」としてオープンし、問屋直営ならではのリーズナブルな価格と品質で、多くの人々に親しまれていました。新仔うなぎとは、養殖から約半年で育った若い鰻を指し、その特徴は、皮が柔らかく、身は肉厚で脂乗りが良く、小骨が少ないこととされています。活鰻の卸売業を母体とする兼光グループが、自社池で養殖した活鰻を一貫して提供しており、品質と鮮度へのこだわりが見られました。
店内は、気軽に立ち寄れる雰囲気で、主にカウンター席が設置されていましたが、一部にはテーブル席もありました。お茶は自動給茶器から各自で提供されるスタイルで、比較的回転が速く、気軽にうなぎを味わえる空間として利用されていました。
メニューは、うなぎのサイズによって選択できるのが特徴で、小さいサイズから大きいサイズまで6種類の蒲焼御飯が用意されていました。すべてのメニューにおいて、うなぎの頭も丸々一尾付で提供される贅沢さがあり、うなぎの切れ数ではなく、サイズで選べる点がユニークでした。例えば、「蒲焼御飯 ちびっ子」は税込1250円、「兼光ランチ」(もずく酢・お吸い物・漬物付)は税込820円で、20食限定の提供もありました。また、15時までのハーフ丼のセットメニューも用意されており、多様なニーズに応えていました。持ち帰りはお弁当のみの対応でした。うなぎは脂が乗りつつもあっさりとした味わいで、表面はカリッと香ばしく、中はふわりとした肉厚な食感が楽しめるという評価が散見されました。タレは甘すぎず、ご飯にはタレが控えめにかかっており、途中で卓上のタレや山椒を加えて味の変化を楽しむこともできました。ご飯はやや固めに炊かれていました。
特別なサービスとして、三河一色のうなぎ生産地で養鰻から加工までを一貫して行う兼光グループの直営店であるため、新鮮で質の高いうなぎをお値打ち価格で提供できる点が挙げられました。
しかしながら、うなぎの兼光 久屋大通店は、2024年6月30日をもって閉店いたしました。これまでのご愛顧に感謝の意が示されており、近隣には2024年4月にオープンした中日ビル店が移転先として案内されていました。