愛知県稲沢市稲沢町前田2 55番地という便利な立地に位置していた「カフェタナカ 稲沢文化の杜店」は、2025年2月28日をもって惜しまれながら閉店いたしました。名鉄国府宮駅からは徒歩約16分から18分の距離にあり、名古屋トヨペットとTSUTAYAが一体となった複合施設内に店舗を構え、広々とした共用駐車場が完備されていたため、車でのアクセスも大変良好でした。かつては、その立地を生かし、TSUTAYAで購入前の本を2冊までカフェスペースに持ち込んで読書ができるという、全国的にも珍しいブックカフェスタイルを展開し、地域の文化交流の場としても親しまれていました。
「LIFEスタイルを提案する」をコンセプトに掲げ、2018年9月15日にオープンした同店は、「NICE TO PEOPLE」という理念のもと、訪れる人々がゆったりと過ごせる上質な空間を提供していました。店内は、落ち着いた雰囲気でありながらもモダンな要素が調和したおしゃれな空間が広がり、広々とした席配置やソファ席、そして暖かな日差しが差し込む全面窓が特徴的でした。また、ライブ演奏が行われることもあり、バリアフリー設計で車椅子での入店も可能、さらに電源や無料Wi-Fiも完備されており、様々なニーズに対応していました。
カフェタナカならではのこだわりは、自家焙煎のスペシャリティコーヒーと、パティシエが手掛ける上質なスイーツやパンにありました。特に「パティシエの作った生食パン」は、北海道産小麦「ゆめちから」を100%使用し、フランス産はちみつやカルピスバターを贅沢に配合した逸品として知られていました。ミルキーで優しい味わい、しっとりともっちりとした柔らかさ、きめ細やかな口どけが特徴で、焼きたての香ばしいクラストも多くのファンを魅了しました。この食パンを使用したモーニングメニューも人気で、厚切りトーストセットや名古屋名物である厚切り小倉トーストセットなどが提供され、ドリンクセットで手軽に楽しむことができました。
カフェサロンでは、朝食、ランチ、ティータイムと幅広い時間帯で利用ができ、自家製パンがおかわり自由となるランチセットは特に好評を博していました。ランチメニューには、ケチャップの甘みとふわふわ卵が人気のオムライス、じっくり煮込んだ自家製ミートソースに目玉焼きを乗せたボロネーゼ、名古屋風あんかけソースととろけるチーズが特徴のピカンといったパスタ料理の他、ガレットやサンドイッチ、パニーニ、グラタン、ラザニアなども提供され、幅広い層の食の好みに対応していました。ティータイムには、自家焙煎コーヒーや、フランスで厳格な審査をクリアした一級品AOPバターを使用した「AOPブリオッシュフレンチトースト」など、パティシエが腕を振るったデザートが彩りを添え、上質なティータイムを演出していました。また、完全予約制で「クリームティ&サンドイッチ」も提供され、特別な時間を過ごすことができました。
座席数は70席を誇り、そのうち16席はテラス席として設けられていました。このテラス席はペット同伴が可能で、保存料・合成着色料・添加物不使用のワンちゃん専用メニューや、パティシエが心を込めて作るワンちゃん用ケーキも用意されており、愛犬家にとっても嬉しい配慮がなされていました。個室は設けられていませんでしたが、広々とした空間設計と落ち着いた雰囲気により、家族連れや友人同士、また一人でもゆったりと過ごせる環境が整っていました。
記念日や誕生日などの特別な日には、お祝いやサプライズにも対応するなど、顧客への細やかなサービスが行き届いていました。また、定期的に開催される周年感謝祭では、限定クッキー缶やアニバーサリーブレンドコーヒーの特別販売、割引クーポンの配布、さらには購入金額に応じたオリジナルグッズのプレゼントなど、来店者への感謝を込めた様々な企画が催され、多くの人々で賑わいました。テイクアウトも可能で、自宅でカフェタナカの味を楽しむこともできました。
「カフェタナカ 稲沢文化の杜店」は、その独自のコンセプトと質の高いサービス、そしてこだわりのメニューで、稲沢の地において多くの人々に愛され、思い出深い場所として記憶されています。