愛知県名古屋市昭和区桜山町に位置していた「桜山餃子工房」は、惜しまれつつも2025年1月をもってその営業を終了いたしました。地下鉄桜通線桜山駅8番出口から徒歩およそ3分の好立地にあり、かつては地域住民や餃子愛好家にとって人気の拠点として親しまれていました。2018年6月5日のオープン以来、国産豚肉を贅沢に使用した自家製餃子を軸に、夜は居酒屋として、土日祝の昼にはランチ営業も行うスタイルで多くのお客様を迎えていました。
お店のコンセプトは、餃子とお酒を楽しむ「小洒落た雰囲気の餃子専門店」であり、オーナー自らがDIYに携わって作り上げた店内は、市松模様の床に白木のテーブルと椅子、木材を基調としたカジュアルな壁が配されたお洒落で居心地の良い空間が特徴でした。カウンター席が設けられており、一人でも気軽に立ち寄って食事やちょい飲みを楽しむことができ、また掘りごたつ席も完備されていたため、グループ利用でもくつろげる配慮がなされていました。総席数は30席から33席ほどで、貸し切り利用も可能であり、最大30名から33名までの宴会に対応していました。店内は全席禁煙で、バリアフリー対応もされており、車椅子での入店も可能でした。
提供されていた餃子は、個性豊かな3種類が看板メニューでした。「桜山餃子」は、豚肉、キャベツ、玉ねぎに加えて刻んだ大葉とニラが餡に練り込まれており、爽やかな香りと程よいニラの風味が特徴で、開業当初から名実ともに一番人気を誇っていました。ニンニクやニラを使用せず、匂いを気にせずに楽しめる「あっさり餃子」は、豚肉、キャベツ、玉ねぎのみを使用し、さっぱりとした味わいが好評でした。そして、ニンニクとニラをがっつり効かせた「がっつり餃子」は、まさに餃子らしい力強い味わいで、ご飯やお酒との相性も抜群でした。これら焼き餃子は5個で440円(税込)という価格で提供され、さらに水餃子も6個550円(税込)で提供され、ネギポン、食べるラー油、台湾ミンチといったトッピングをプラス110円で追加する楽しみもありました。
餃子以外にも、お酒が進む一品料理が豊富に揃っていました。牛すじネギポン(660円)、ソーセージ5種盛(660円)、だし巻き玉子(プレーン660円、チーズ770円、台湾ミンチ770円)といった逸品から、枝豆、冷奴、キムチ、もやしナムル、塩ダレキャベツ、うずら卵醤油漬けなど330円のおつまみ、トマトスライス、ピリ辛きゅうり、食べラー奴、台湾奴など400円のおつまみまで、幅広いニーズに応えるラインナップでした。食事として、ごはん(並220円、大330円)やスープ(220円)、カレーライス(660円)も提供され、カレーライスにはチーズ、台湾ミンチ、うずらの卵のトッピングをプラス110円で加えることができました。デザートにはアイスクリーム(バニラ/チョコ)が330円で用意されていました。
ドリンクメニューも充実しており、生ビールのアサヒスーパードライ(小330円、中550円、メガ1,320円)、ノンアルコールビール(440円)のほか、ハイボール(中440円、大660円、メガ1,100円)、日本酒、焼酎、果実酒、多様なチューハイ(レモン、カルピス、グレープフルーツ、桃、ライチ、巨峰、梅、青りんご各440円、メガサイズ1,100円)、お茶ハイ(ウーロンハイ、緑茶ハイ、ジャスミンハイ各440円、メガサイズ1,100円)、プレミアムチューハイ(みかん、パイン、シークワーサー各550円)など、幅広い選択肢がありました。また、お客様のリクエストに応じてメニューにないお酒も仕入れるなど、きめ細やかなサービスも行われていました。
平均予算はランチが約800円、ディナーが約2,500円と、リーズナブルにこだわりの餃子とお酒を楽しめる価格設定でした。テイクアウトにも対応しており、汁物以外のほとんどのメニューを自宅で楽しむことができたため、仕事帰りなどに立ち寄る利用者も多く見られました。電話予約はもちろん、オンラインでの予約も可能で、PayPayでの決済にも対応していました。
営業期間中の一時期、ランチタイムには「鴨出汁らぁめん3986」というラーメン店が間借り営業を行っていたこともあり、一つの場所で二つの異なる食体験ができるユニークな側面も持ち合わせていました。
地域に根差した餃子専門店として多くのファンに愛された桜山餃子工房は、その歴史の中で、手作りの温かさと、多様な餃子の魅力、そして居心地の良い空間を提供し続けました。