愛知県名古屋市千種区京命1-9-9 WING CKビル1Cに位置していた「肉まんの蒸籠軒」は、2024年4月26日をもって閉店いたしました。かつて名古屋では珍しい本格的な肉まん専門店として知られ、中国吉林省出身のご夫婦が手作りする本場の味が楽しめるお店でした。
そのコンセプトは、中華料理が本来持つ美食の魅力を、本格的な肉まんをはじめとした点心でじっくり味わうことにありました。外観はシックな印象でありながら、店内は明るく清潔感があり、ガラス張りの開放的な空間は、まるでカフェのような居心地の良さを提供していました。イートインスペースはカウンター席と2名掛けのテーブル席を合わせて15席が用意されており、ゆったりと過ごせる環境でした。専用駐車場が店舗の向かいに2台分完備されていたため、車でのアクセスも便利でした。公共交通機関からのアクセスとしては、名鉄瀬戸線小幡駅からは徒歩約23分から39分、名古屋市営地下鉄名城線茶屋ケ坂駅からは徒歩約26分から35分、基幹バス猪子西原バス停からは徒歩約15分でした。
「肉まんの蒸籠軒」の看板メニューは、独特の製法で作られる「生煎包(シェンジェンパオ)」でした。これは、小ぶりの肉まんを蒸し焼きにしたもので、発酵によってふっくらともちもちとした皮の底はカリッと香ばしく焼き上げられ、一口食べると中から熱々の肉汁がじゅわっとあふれ出すのが特徴でした。生煎包は7個で580円という価格で提供され、火傷に注意しながら、そのままの味を楽しむのはもちろん、卓上に用意された酢醤油や、台湾から取り寄せた激辛唐辛子を加えて味の変化を楽しむこともできました。
生煎包以外にも、多種多様な肉まんが提供されていました。「肉まん」(190円)はジューシーな肉餡とつやつやの皮が特徴で、スパイスがしっかりと効いた本格的な味わいでした。「きゃべつまん」(220円)はラグビーボールのような形をしており、分厚くもちもちとした皮とキャベツの食感、香ばしい風味が魅力でした。「にらたままん」(220円)や「高菜まん」(220円)も人気で、「スペアリブまん」(260円)は、しっとりふわもちの生地に柔らかいスペアリブが入り、八角の香りが際立つ一品でした。「海老まん」(300円)も提供されていました。かつては8種類の肉まんがありましたが、「かにまん」は販売終了となっていました。
これらの肉まんをメインに、お得なセットメニューも利用できました。お好みの肉まんにプラス600円で、おかゆまたは玉子スープ、温菜1品、冷菜2品、そしてドリンクが選べるセットがありました。さらに、プラス680円で海鮮おかゆまたは酸辣湯(サンラータン)が選べる豪華なセットも用意され、温菜には麻婆豆腐や茄子と野菜の醤油炒め、冷菜には干し豆腐和え、もやしきくらげ和え、キャベツ和えなど、本格的な中華の副菜も楽しめました。ドリンクはコーラ、オレンジ、烏龍茶、コーヒー(ホット・アイス)から選ぶことができました。ランチ・ディナーともに一人あたり1000円前後の予算で利用でき、全体的にリーズナブルな価格設定で気軽に本格的な味を楽しめることで、多くの人々に親しまれていました。
座席は個室やソファ席の用意はなく、全席禁煙でした。子ども連れの利用も歓迎され、家族でも訪れやすい雰囲気でした。支払い方法としては、VISA、Master、JCB、AMEXなどの各種クレジットカード、Suicaなどの交通系電子マネー、nanaco、iD、QUICPay、そしてPayPay、d払い、楽天ペイ、au PAYといったQRコード決済にも対応しており、利便性の高いお店でした。「肉まんの蒸籠軒」は、その手作りの本格的な肉まんや点心の数々で、名古屋において独特の存在感を放っていました。