東急田園都市線三軒茶屋駅南口Aより徒歩約6分、東急世田谷線三軒茶屋駅からも徒歩圏内に位置する「伊勢元」は、東京都世田谷区三軒茶屋1丁目7-13に店を構える、創業1964年の歴史を持つ老舗居酒屋です。長年にわたり地域住民に愛される大衆酒場として知られ、どこか懐かしい昭和の雰囲気を今に伝えています。店内は厨房を囲むようにコの字型のカウンター席が配されており、この席が店に訪れる人々との温かい交流を生み出す中心となっています。アットホームな雰囲気のため、一人でも気軽に立ち寄りやすく、女性の一人客の姿も多く見られます。
この店の魅力の一つは、二代目店主である中村義昭さんの存在です。 かつて店を切り盛りしていた気風の良い女将さんが2018年に他界された後、息子である中村さんがその意思を継ぎました。 中村さんはフリーアナウンサーとしても活躍されており、その活動から店の営業が不定休となることもありますが、持ち前の明るくおおらかな人柄と、アナウンサーならではの滑舌の良い艶のある声で、店に温かさと活気をもたらしています。 テレビ番組で紹介されたこともあり、地域密着の常連客に加え、番組を見て訪れる新規の客も多いようです。
提供される料理は、派手さはありませんが、どれも心温まる家庭的な味わいが特徴です。豊富なメニューの中でも、特に多くの客から支持されているのが「でっかいハンバーグ」と「キーマカレー」です。 でっかいハンバーグは、その名の通りのボリュームと、粗挽き肉の食感、そして甘めのソースが食欲をそそる逸品で、酒の肴にも食事にもぴったりです。 キーマカレーは、10種類以上のスパイスをじっくり8時間煮込んで作られたこだわりの味で、店の看板メニューの一つとなっています。 その他にも、じっくり煮込まれたもつ煮込みや手羽ぎょうざ、シンプルな焼き鳥などが定番として人気です。 また、創業から受け継がれる110年もののぬか床で漬けられたぬか漬けは、そのみずみずしさと風味で、多くの客におすすめされています。 ドリンクメニューはビールや酎ハイ、清酒などが揃い、店主の中村さんが好きな三重の地酒「作」も用意されています。 訪れるたびに楽しみなのが日替わりのお通しで、これもまた家庭料理の一品として提供されます。
以前はランチ営業も行っており、でっかいハンバーグやキーマカレーを含む定食メニューが手頃な価格で提供されていた時期もありました。 現在のランチの詳しい状況は確認が必要ですが、夜の居酒屋としての営業では、2,000円台から利用できるという情報や、もう少し上の価格帯となる場合もあるようです。
店内は全てカウンター席で構成されており、個室は設けられていません。 店内は全面喫煙が可能となっています。 支払い方法は現金のみとなっており、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済は利用できません。 特筆すべき特別なサービスに関する情報は見当たりませんが、温かい雰囲気と美味しい料理、そして店主や居合わせた客との会話を通じて、心地よい時間を過ごせる点が、多くの人々を惹きつけるこの店の魅力と言えるでしょう。三軒茶屋の賑やかなエリアから少し離れた場所にありながらも、地域に根差し、多くの常連客に支えられている、隠れた名酒場です。