東京都文京区小石川に位置する「中勢以 小石川店」は、東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅から徒歩約6分の、閑静な播磨坂沿いに佇む熟成肉専門のレストランと精肉店です。熟成肉のパイオニアとして知られる「中勢以本店」の姉妹店として2013年にオープンしました。
この店の最大の特徴は、肉職人が日本古来の伝統的な熟成方法である「枯らし」を習得し、厳選した国産黒毛和牛を一頭丸ごと仕入れ、自家熟成庫で約2ヶ月以上の長期にわたり熟成させている点にあります。熟成期間中、職人は温度・湿度・菌を徹底的に管理し、肉本来の旨みと風味を最大限に引き出しています。店内のショーケースには、常時16〜17種類もの熟成肉(赤身約7〜8種、霜降り約7〜8種)が並べられており、お客様は実際に目で見て好みの部位を選ぶことができます。肉のコンサルタントがそれぞれの部位の特徴や最適な焼き加減について丁寧に説明してくれるため、熟成肉に馴染みのない方でも安心して楽しめます。素材の持ち味を損なうことなく、シンプルながらも絶妙な火入れで提供されるステーキやグリルは、まさしくここでしか味わえない逸品と言えるでしょう。その品質は、ミシュランに長年掲載され、食べログ百名店にも選出されるなど、食のプロからも高く評価されています。
店内は落ち着いた空間で、席間も広く取られており、ゆったりと食事を楽しむことができます。記念日や接待といった特別な日の利用にも最適です。総席数は44席で、テーブル席が中心ですが、個室はありません。しかし、20人から50人までの貸切には対応しています。店内は全席禁煙となっており、快適な環境で食事ができます。駐車場はありませんが、近隣のコインパーキングを利用することができます。また、車椅子での入店も可能です。
メニューはランチとディナーで異なり、それぞれの時間帯に合わせた熟成肉料理を提供しています。ランチタイムには、熟成神戸ビーフハンバーグ(2,970円)、数量限定の熟成ローストビーフ丼(神戸ビーフ モモ、1,980円)、熟成豚ロースの味噌漬け焼き(1,540円)といった手軽に楽しめるメニューから、熟成神戸ビーフのおまかせステーキ(4,800円)、そして熟成牛のグリル焼き食べ比べが含まれるランチコース(8,800円)まで幅広く用意されています。ランチコースは2名からの予約が必要で、滞在時間は2時間までとなっています。サラダ、白飯、味噌汁、香の物が付き、ステーキやコースにはデザートと抹茶も含まれる場合があります。
ディナータイムは、コース料理が10,000円から用意されているほか、アラカルトメニューも充実しており、こちらは500円から注文可能です。メインの熟成肉のグリルやステーキは、ショーケースで選んだお肉を、精肉店での販売価格に焼き代を含むサービス料10%を加えた料金で提供されます。年間約40頭の牛を熟成しているからこそ提供できる、希少部位(ネクタイ、マルカワなど)も味わうことができます。アラカルトでは、本日のシャルキュトリー盛合せ(2,420円)、自家製テリーヌ(1,320円)、熟成牛ハンバーグ(2,420円)、自家製熟成牛ソーセージのグリル(1,980円)などの前菜や温菜、白飯・味噌汁・香の物(550円)、本日のデザート(660円)といった様々なメニューを楽しむことができます。
ドリンクメニューも豊富で、特にワインにはこだわりがあり、ソムリエがいるため料理とのペアリングについて相談することも可能です。ワインの持ち込みも1本あたり5,500円(税込)で対応しています。
特別なサービスとして、誕生日や記念日にはメッセージ付きのバースデープレートを用意してもらえます。予約時に備考欄で希望を伝えることで、通常のデザートに文字を入れてもらうことができ、追加料金は発生しません。また、ホールケーキ付きのプランも3日前までの予約で、2名から利用可能です。ディナータイムは小学生以上の利用が推奨されていますが、ランチタイムには子供の利用制限はありません。レストランに併設された精肉店では、熟成肉を購入して自宅で楽しむこともでき、オンラインショップも利用可能です。
このように、「中勢以 小石川店」は、熟成肉への深いこだわりと高い技術、そしてきめ細やかなサービスによって、訪れる人々に特別な食体験を提供しています。隠れ家のような落ち着いた空間で、丹精込めて熟成された極上の肉を心ゆくまで堪能できる、まさに食通をもうならせる一軒と言えるでしょう。