力士

東京都大田区大森本町に位置する「力士」は、京浜急行本線平和島駅から徒歩わずか約3分という近さで、アクセスしやすい立地が魅力でした。古くからの街道である旧東海道沿いに店を構え、長年にわたり地域の人々に親しまれてきたちゃんこ料理店として知られています。お店の大きな特徴は、なんといってもそのボリューム満点のちゃんこ鍋でした。相撲部屋直伝ともいえるそのちゃんこ鍋は、二人前でも食べきれないほどの量があると評判になるほどでした。鍋の具材には、豚バラ肉、鶏肉、砂肝、白身魚、お店のおかみさんが手作りしているといういわしのつみれ、帆立、渡り蟹、油揚げなどが惜しみなく使われており、魚介と肉、そして野菜の旨味が溶け込んだ奥深い味わいのスープが特徴でした。この醤油ベースの出汁に、お好みで刻みネギや、おろし生姜、おろしにんにくといった薬味を加えることで、さらに自分好みの味に変化させて楽しむことができました。ちゃんこ鍋以外にも、お店の味として親しまれた一品料理がいくつかありました。お通しとして提供される新鮮なまぐろの刺身や、香ばしく揚げられた渡り蟹の唐揚げ、出汁の効いたふっくらとした出し巻き玉子、ジューシーな鶏の唐揚げなども、ちゃんこ鍋と共に楽しまれていました。ドリンクの中でも、特に人気を集めていたのが生絞りピンクグレープフルーツサワーで、文字通りピンクグレープフルーツが丸ごと1個分も使われているという贅沢さが支持されていました。店内は、ゆったりとくつろげる座敷席がメインとなっており、靴を脱いでリラックスしながら食事をすることができました。大勢で鍋を囲むのにも適した空間でしたが、プライベートな空間やカウンター席の用意はありませんでした。利用シーンとしては、知人や友人と気軽に集まる際に選ばれることが多かったようです。かつては夕方17時から23時まで営業しており、定休日は不定休とされていましたが、一部のグルメサイトでは現在閉店しているとの情報も見られます。そのため、足を運ばれる際は事前に店舗の営業状況を確認することをお勧めします。かつて地元で愛されたちゃんこ料理の味は、多くの人々の記憶に残っています。