東京都杉並区西荻南3丁目1110 西荻窪サウスビル1階に位置していた「原価ビストロBAN! 西荻窪」は、JR西荻窪駅の南口から徒歩わずか1分から2分という非常にアクセスしやすい場所にありました。駅近くの賑やかな小路の一角に位置し、その外観は明るくおしゃれなバルのような雰囲気でした。この店舗の最大の特徴は、入店時に入場料としてワンコイン(一般的には500円、税別)を支払うことで、店内のほぼ全てのドリンクメニューを原価に近い驚きの価格で提供していた点にありました。
ドリンクは非常に多彩で、定番のビールやハイボール、サワー類はもちろんのこと、世界各国から直輸入されたワインや、普段なかなか手が出しにくい高級シャンパンやボトルワインまで、常時100種類以上の幅広いラインナップを取り揃えていました。例えば、生ビールが1杯160円から198円程度、ハイボールが55円から60円程度、レモンサワーが80円から99円程度、グラスワインが80円から150円程度、ボトルワインは800円から980円程度から用意されており、入場料を支払ってもなお圧倒的なコストパフォーマンスでお酒を楽しめると好評でした。飲めば飲むほどお得になるシステムは、特に複数人での利用や、様々なお酒を試したい人にとって魅力的でした。
料理は本格的なビストロ料理を提供しており、中でも肉料理は店の看板として位置づけられていました。品質にこだわった牛肉、豚肉、鴨肉、仔羊肉などを、最新の調理法である低温調理でじっくりと加熱することで、肉の旨味を逃さず、驚くほど柔らかくジューシーな仕上がりにしていたのが特徴です。特にA4・A5ランクの黒毛和牛を使用したローストビーフは人気のメニューの一つでした。シャルキュトリーの盛り合わせや、20種類もの新鮮な野菜が使われた彩り豊かなBAN!サラダなど、お酒との相性を考えられたアラカルトメニューも充実していました。過去には、低温調理の肉盛り合わせがお得になるキャンペーンや、名物のBAN!サラダのフォトコンテストといったイベントも開催されていました。
店内は、入ってすぐにカウンター席があり、その奥にテーブル席が配置されていました。全体的にこじんまりとしつつも、活気あふれるアットホームな雰囲気でした。席数はそれほど多くなく、ピーク時には賑わいを見せていました。店内でのお会計や追加注文には、スマートフォンを使ったモバイルオーダーシステムが導入されており、スムーズな注文が可能でした。衛生面への配慮として、店内は全面禁煙となっていましたが、店舗入り口の外に喫煙スペースが設けられていました。
そのユニークなコンセプトとリーズナブルな価格設定、そして本格的な料理で人気を博していた「原価ビストロBAN! 西荻窪」でしたが、複数の情報源によれば、この店舗は2023年7月頃をもって閉店したとされています。そのため、現在、この西荻窪の地で「原価ビストロBAN!」として営業は行われておりません。かつては、高品質な肉料理と共に、様々なドリンクを気軽に楽しめるビストロとして、多くの地元住民や訪問客に親しまれていました。