東京都新宿区舟町4番地の北村ビル2Fに佇む「三櫂屋」は、四谷三丁目駅から徒歩約3分、曙橋駅からも徒歩約5分とアクセス至便な隠れ家的な飲食店です。杉大門通り沿いの趣ある場所に位置し、喧騒を離れて落ち着いた時間を過ごせる空間として知られています。
三櫂屋の最大の特色は、30年以上にわたり多くの食通を魅了してきた名物の豚しゃぶです。厳選された高品質な豚肉は、毎日店内で丁寧に仕込み、最も美味しく味わえる厚さに手切りされています。このこだわりの豚肉を、岩手県の南部鉄器と備長炭を用いた伝統的な民芸コンロでじっくりと火を通すことで、豚肉本来の旨味を最大限に引き出し、驚くほど柔らかく仕上がります。アクが出にくいため、澄んだ出汁で素材の味を純粋に楽しめます。合わせるタレは、柑橘類を使わずに手造りの生醤油をベースにした特製ポン酢で、豚肉の豊かな香りを引き立てるように工夫されています。豚しゃぶの具材は、新鮮な豚肉とたっぷりの白ネギのみという潔さで、シンプルながらも素材への自信とこだわりが感じられます。この豚しゃぶは単品で3,480円程度で提供されており、豚しゃぶをメインにしたコースは6,300円から、お肉の増量や旬の肴を組み合わせたおまかせコースなど、複数のコースが用意されています。
また、三櫂屋では、豚しゃぶ以外にも季節感あふれる多様な肴を取り揃えています。店主の祖父、父が市場の仲買人であったことから、毎朝豊洲市場で目利きされた新鮮な天然ものの魚介が提供されます。刺身は950円から1,300円程度で、その日の仕入れによって内容が変わるため、訪れるたびに新たな味覚に出会える楽しみがあります。他にも、肉しゅうまい(890円)、まぐろのかま焼き(800円)、長いも焼き(690円)、焼きおにぎり(440円)など、お酒が進む逸品が揃います。〆には冷たいおうどんやくずきりも用意されています。
ドリンクメニューも豊富で、日本酒や焼酎、ワイン、ビールなどが提供されています。特に日本酒には強いこだわりがあり、全国各地から厳選された銘酒が常時用意されています。日本酒は一合を大ぶりのぐい呑みになみなみと注いで提供されるなど、「旨い酒を、気分よく飲んでほしい」という店主の心意気が感じられます。価格は日本酒が650円から、焼酎が530円からとなっています。食事と相性の良い選りすぐりのお酒を心ゆくまで堪能できます。
店内は全席禁煙で、総席数は28席です。落ち着いた空間にはカウンター席とテーブル席が配されており、一人静かに過ごしたい時や、友人、知人との語らいにも適しています。個室はありませんが、27名程度までの貸切利用が可能で、職場の宴会や特別な集まりなど、様々なシーンに対応できます。昔ながらの趣を残す店内には、江戸東京を意識した飾り付けが随所に見られ、訪れる人を楽しませてくれます。壁に飾られた提灯に隠された粋な言葉遊びを見つけるのも一興です。
三櫂屋は、こだわりの豚しゃぶを核に、旬の新鮮な魚介や豊富な種類の美酒を楽しめる店として、地元客をはじめ多くの人々に愛されています。都会の一角にありながら、どこか懐かしく温かい雰囲気の中で、ゆったりと美味しい料理とお酒を味わえる、知る人ぞ知る名店です。