東京都中央区銀座の銀座六丁目すずらん通りに佇む「割烹 中嶋」は、昭和6年(1931年)創業の歴史ある日本料理店です。北大路魯山人が主宰した「星岡茶寮」で初代料理長を務めた中島貞治郎氏によって開かれ、現在は三代目の中島貞彦氏がその伝統と味を受け継いでいます。銀座駅からは東京メトロ銀座線のA1、A2、B3出口から徒歩約3分、東京メトロ日比谷線の東銀座駅からも徒歩約4~7分とアクセスしやすい立地にあります。JR新橋駅からも徒歩約8分圏内です。
「割烹 中嶋」の大きな特徴の一つは、創業者が北大路魯山人と深い関わりを持っていたことにあります。店内には魯山人の書画が飾られ、料理には魯山人が手掛けた器が使用されることもあり、特に魯山人ゆかりの料理や器を堪能できる特別コースも用意されています。素材を活かすという魯山人の教えは代々大切に受け継がれており、旬の厳選された食材を用いた繊細な日本料理が提供されます。関西割烹のスタイルを基盤とし、カウンター席では料理人が目の前で腕を振るう様子を楽しむことができます。
メニューは季節ごとの食材を取り入れた会席コースが中心で、価格帯は複数設定されています。魯山人の世界観をより深く味わえる特別なコースも提供されており、予約が必要な季節限定のコースもあります。かつては昼営業も行っており、松花堂弁当などが提供されていた時期もあります。夜の予算は多くの場合、二万円台から三万円台となるようです。
座席は一階と二階にあり、総席数は十七席から三十席程度となります。一階にはカウンター席があり、二階にはお座敷の席も用意されています。また、二名様から利用できる個室も完備されており、接待や会食など、落ち着いた空間で食事を楽しみたい場合に適しています。個室は人数に合わせて繋げて利用することも可能です。
伝統を受け継ぎながらも、新しい試みも取り入れているとされ、例えば無花果のふろふきなど、魯山人から伝わる料理も提供されることがあります。歴史に裏打ちされた確かな技術と、選び抜かれた旬の素材、そして魯山人ゆかりの器が織りなす独自の食空間は、特別な日や大切な場面での利用にも相応しい、銀座の名店です。店内はこじんまりとしつつも落ち着いた雰囲気で、細やかな接客も訪れる人々から評価されています。お土産として羊羹や梅干しなどが用意されていることもあります。