京都府宇治市小倉町に位置する「繁の」は、近鉄京都線小倉駅から徒歩約2分の場所に暖簾を構える和食バル、あるいは居酒屋と称される飲食店です。小倉駅西口から西へ100メートルほどの三階建てビルの一階に位置しており、駅からのアクセスが良いのが特徴です。現在の店舗は移転を経ており、以前の立ち飲みスタイルから装いを新たに、より幅広い層が訪れやすい空間として生まれ変わりました。
このお店のコンセプトは、五代続く家族の料理の歴史と、新しい感性の融合にあります。現在の店主は、ファッションデザイナーとしての経験や、創作和食の板前としてのキャリアも持つ人物です。店主の父親は寿司職人であり、その父から受け継がれる出汁が料理の基本となっています。この背景から、「繁の」では伝統的な和食の技法に基づきながらも、現代的な要素を取り入れた独自の料理を提供しています。特に、父親の出汁をふんだんに使用した出汁巻き玉子は、お店の看板メニューの一つとして知られています。野菜料理や魚料理にもこだわりが見られ、素材の味を活かした出汁ベースの料理を中心に、様々な一品料理を楽しむことができます。
店内の空間も、以前の立ち飲みスタイルとは異なり、おしゃれで落ち着いた雰囲気が特徴です。カウンター席のほか、座敷や個室も完備されており、一人で気軽に立ち寄ることから、グループでの利用まで幅広いシーンに対応可能です。個室は10名から20名まで収容可能な部屋も用意されているとの情報もあり、プライベートな空間で食事をゆっくりと楽しみたい場合に適しています。テーブル席もあり、一部はパーテーションで仕切ることもできるようです。二階席の有無については情報が錯綜していますが、移転リニューアルを機に二階席も作れる広さになったとの話や、一部の口コミでは個室が二室(和室)あるとの記述も見られます。
かつて大阪で「繁乃鮨」として創業し、その後宇治市大久保で寿司とうどん、丼の定食屋、小倉で立ち飲み屋と形を変えてきた家族の味と歴史が、「繁の」という現在の店舗に引き継がれています。代々受け継がれる出汁の味を基本に、新しい発想を取り入れた料理と、落ち着いた空間で、様々な用途で利用できるお店と言えるでしょう。