大阪府東大阪市足代にある「笑福堂」は、近鉄大阪線布施駅から徒歩およそ5分、JR河内永和駅や近鉄俊徳道駅からも十分徒歩でアクセスできる場所に位置する和菓子店です。布施の賑やかなエリアから少し離れた、落ち着いた地域に店を構えており、明治36年(1903年)創業という百二十年以上の長い歴史を持っています。
この「笑福堂」は、もともと餅屋として始まり、現在もその伝統を受け継ぐ餅菓子に特に力を入れています。お店の看板商品として知られているのは桜餅で、厳選されたもち米を使用し、塩漬けされた桜の葉とのバランスが絶妙な味わいを生み出しています。一年を通じて購入できる人気の品で、この味を求めて訪れる常連客も多いと言われます。また、つるんともっちりとした食感が特徴の三色だんごも、店主の技術が光る逸品としておすすめです。わらび餅、中でも抹茶味のわらび餅は特に人気があり、時間帯によっては売り切れていることもあるため、確実に手に入れたい場合は予約をしておくのが良いかもしれません。昔ながらの製法で作られるどら焼きは、たっぷりのあんとふっくらとした甘めの生地が相性抜群で、こちらも根強いファンがいます。この他にも、季節感を大切にした生菓子や、海老の風味が香る餅、一般的な白い餅など、様々な種類の和菓子が店頭に並びます。餅は量り売りでの販売も行われており、自宅用はもちろん、地方発送にも対応している場合があります。一つ一つ手作りされる和菓子は、職人の技とこだわりが詰まっており、贈答品としても喜ばれています。
店内は創業当時の面影を残しており、布施の商店街の活気とは一線を画す、静かで穏やかな時間が流れています。その落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと和菓子を選んだり、購入したお菓子を味わったりすることができます。座席は限られていますが、ちょっとした休憩に利用することも可能です。店主の人柄も良く、温かいおもてなしもこの店の魅力の一つと言えるでしょう。
特別な体験として、事前予約制の和菓子作り体験も実施しています。職人から直接指導を受けながら、練り切りなど季節の美しい和菓子を作る貴重な機会です。体験費用は一人あたり3000円程度で、東大阪の旅の記念や、日本の伝統文化に触れる体験としておすすめです。SEKAI HOTEL Fuseの宿泊者には、和菓子作り体験に関する特典が用意されているという情報もあります。
営業時間は日によって異なる場合もありますが、一般的には午前7時30分頃から夕方17時または17時30分頃まで開いており、毎週木曜日が定休日です。支払い方法は現金のみで、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済は利用できません。全席禁煙で、専用の駐車場はありませんので、公共交通機関を利用するか、近隣のコインパーキングを利用する必要があります。
百二十年以上の歴史を持ち、餅菓子を中心に丁寧な和菓子を作り続ける東大阪市足代の「笑福堂」。伝統の味を守りながらも、和菓子作り体験を通してその魅力を伝えるなど、地域に根差した活動も行っています。布施エリアを訪れた際には、老舗の確かな味と静かな店の雰囲気をぜひ体験してみてください。