大阪メトロ中央線・千日前線の阿波座駅からほど近い場所に、かつて「酒とひもの 人情酒場 阿波座店」がありました。阿波座駅の出口からは徒歩およそ3分(距離にして約367メートル)とアクセスしやすい立地で、大阪メトロ千日前線の西長堀駅からも徒歩約6分、西大橋駅からも徒歩圏内でした。周辺にはサムハラ神社や靭公園といった分かりやすいランドマークも点在しており、待ち合わせにも便利なエリアでした。
この店舗は、日本酒と干物、そして揚げたての天ぷらを三本柱とした居酒屋として営業していました。「人情酒場」という店名の通り、どこか懐かしく温かい雰囲気の中で、厳選されたお酒と肴を楽しむことができるお店でした。特にこだわりを持っていたのが「ひもの」で、石川県輪島の伝統的な魚醤である「いしる」に漬け込んだ風味豊かな干物を看板メニューとして提供していました。魚の旨みが凝縮したいしる醤油が身の芯まで染み込み、日本酒との相性は抜群でした。また、能登のさくら醤油やあごだしを使った副菜なども、ひもののおいしさを引き立てていました。
日本酒の品揃えも豊富で、全国各地から集められた銘酒が多数ラインナップされていました。有名な銘柄から希少価値の高い限定酒まで取り揃えられており、日本酒好きにとっては選ぶ楽しみも大きいお店でした。日本酒にあまり詳しくない方でも楽しめるように、飲み比べセットなども用意されていたようです。酒のアテとしては、看板のひものだけでなく、脂の乗った上質な人情とろさばの刺身や、店内で揚げる熱々の天ぷらも人気でした。天ぷらは国産の貴重な植物油である米油100%で揚げられており、サクサクとして軽い食感が特徴でした。揚げたてを提供することにこだわり、単品メニューも充実していました。おでんや様々な和食を中心とした一品料理も豊富で、ヘルシーなメニューも揃っていました。また、一部の口コミでは、冷蔵庫から好きな日本酒を自分で選んで注ぐことができるというユニークなセルフサービスがあったという情報も見られます。
メニュー内容は幅広く、ランチタイムには定食を提供しており、タルタルチキン定食や金目鯛定食など、手軽に食事ができるメニューがありました。夜は、看板のいしる漬け干物をはじめ、揚げたて天ぷら、炙り鯖刺身、茄子の揚げ浸し、鯖いしり干しなど、日本酒が進む逸品が豊富でした。天ぷらは単品で手頃な価格から注文でき、人情特選天ぷら五種盛りや、インパクトのある見た目の葱豚巻のびっくり揚げ、そして名物のふわとろ天ぷらといった特徴的なメニューもありました。価格帯については、ランチは概ね1000円以下、ディナーは一人あたり2000円台から4000円程度で楽しめたようです。一部の飲み物、例えば生ビールなどは比較的リーズナブルな価格で提供されていたという情報もあります。
店内の座席数は合計で42席でした。1階と2階に席があり、1階にはテーブル席、2階にもテーブル席が配置されていました。個室は設けられていませんでしたが、2階席は16名程度で貸切利用が可能で、プライベートな空間として利用することもできました。全体的に、カウンター席や小上がり座敷、テーブル席などがあったようで、様々なシーンに対応できる席構成でした。店内は基本的に全席禁煙でしたが、ランチタイムのみ全面禁煙だったという情報も見られます。
日本酒とひもの、揚げたて天ぷらにこだわった料理と、豊富な日本酒の品揃え、そして人情味あふれる雰囲気で親しまれていた「酒とひもの 人情酒場 阿波座店」ですが、現在は営業を終了しています。かつてこの場所で、美味しい干物と日本酒を楽しんだ方々にとって、記憶に残るお店の一つであったと言えるでしょう。